
訪問鍼灸マッサージを医療保険で受けるには医師の同意書が必要ですが、「何科の先生に頼めばいいの?」と迷う方は多いです。結論から言うと、多くの場合はかかりつけの医師であれば診療科を問わず同意書を書けます。整形外科はもちろん、内科や脳神経内科、在宅で診てくれている訪問診療の医師でもかまいません。必要なのは、その方の体の状態を分かっている医師に、はり・きゅうやマッサージによる治療が必要だと認めてもらうことです。のびのびでは、依頼書の準備から医療機関とのやりとりまでお手伝いするので、ご家族が一から病院にお願いに行っていただくことは、ほとんどありません。ここでは、何科でもらえるのか、どう切り出せばよいのか、断られたときはどうするかまで、順番にお答えします。なお、施術は病気そのものを治すものではなく、効き方には個人差があります。
この記事のポイント
多くの場合、かかりつけの医師であれば内科や脳神経内科など、診療科を問わず同意書を書いてもらえます。その方の状態を分かっている医師であることが条件になります。
結論|多くの場合、かかりつけ医なら何科でもよい
訪問鍼灸マッサージの同意書は、多くの場合、診療科を問わずかかりつけの医師に書いてもらえます。整形外科でなければいけない、という決まりがあるわけではありません。内科でふだんの体調を診てもらっている先生、脳梗塞のあとに通っている脳神経内科の先生、在宅で診てくれている訪問診療の先生など、その方の状態を分かっている医師であれば依頼できます。
まずは、いちばん体のことを相談しやすい先生を思い浮かべてみてください。そこが出発点になります。
なぜ同意書が要るの?|医療保険を使うためのしくみ
はり・きゅうやマッサージを医療保険で受けるには、医師が「この方にはこの治療が必要だ」と認める同意書が必要です。これがあってはじめて療養費の対象になり、お支払いが負担割合の分だけですみます。1割の方なら、はり・きゅうで1回およそ395円が目安です。
同意書は、医師と施術者が連携して体を診ていくための土台でもあります。要介護認定は必要なく、介護保険の限度額とも別枠なので、デイサービスなどと重ねて利用できます。
整形外科が多いけれど、内科でもよい
痛みやしびれの相談先として整形外科にかかっている方が多いため、整形外科で同意書をもらうケースはよくあります。ただ、整形外科でなければ書けない、ということはありません。
高血圧や糖尿病で内科に通っている方は内科で、神経の病気で脳神経内科に通っている方はその先生で、と、ふだん診てもらっている科でかまいません。ここで見られるのは科の名前ではなく、その方の慢性的な痛みやしびれ、麻痺のあとのこわばりなどを把握している医師であることです。
訪問診療・往診の医師でも書いてもらえる
通院がむずかしく、在宅で訪問診療や往診を受けている方は、その主治医に同意書をお願いできます。定期的に家に来て体を診てくれている先生なら、状態を分かっているぶん、話も進みやすいことが多いです。
訪問診療の医師と訪問鍼灸マッサージの施術者が連携すれば、体の様子を共有しながらケアを進められます。どの医師に頼めばよいか迷うときは、のびのびにご相談いただければ、状況をうかがって適した進め方をご案内します。
どう切り出せばいい?|頼み方のコツ
「先生に頼みにくい」という声はよく聞きます。切り出し方はシンプルで、「訪問ではり・きゅう(またはマッサージ)を受けたいので、同意書をお願いできますか」と伝えるだけで十分です。のびのびから医師あての依頼書を用意しますので、それを診察のときにお渡しいただくと、先生も判断しやすくなります。
ご家族が言葉に迷うときは、依頼書に必要な情報をまとめておくので、そのまま渡していただければ大丈夫です。手続きの段取りはこちらで整えます。
もし断られたら?|あきらめる前にできること
まれに、同意書に慣れていない医師が判断に迷うことがあります。その場合も、あきらめる前にできる場合があります。のびのびから、制度のしくみや依頼書の書式をあらためて医療機関にお伝えし、必要な情報を補うことができます。
断られたときにできることは、「同意書を書いてもらえないときの対処法」でくわしくまとめています。それでもむずかしいときは、ほかにかかっている診療科の医師に相談する、という選び方もあります。ひとりで抱え込まず、まずはご相談ください。どう動けばよいか、一緒に整理します。
同意書のあとの流れ|開始までの段取り
同意書が用意できたら、開始までの段取りはそれほど多くありません。保険証と同意書を確認し、体の状態をうかがったうえで、1回あたりの負担とひと月の見通しをお伝えします。対応エリア内であれば出張費や交通費の上乗せはなく、料金は一律です。
同意書には有効な期間があり、続けて受ける場合は期限が来るころに再度の同意をお願いします。この更新の段取りものびのびがお手伝いするので、気づいたら切れていた、ということが起きないようにお声がけします。
迷ったら、まず相談を
「うちの場合はどの先生に頼めばいいのか」。判断に迷うときは、担当のケアマネジャーやのびのびに相談するのが近道です。体の状態や通っている医療機関をうかがえば、いちばん頼みやすい先生の見当をつけてご案内できます。
同意書は少しだけ手間に見えて、じつは段取りさえ分かればむずかしくありません。まずは気軽にお問い合わせください。なお、施術は病気そのものを治すものではなく、あらわれ方には個人差があります。
科ごとの、頼み方のちがい
どの科でもよいとはいえ、先生の見ておられるものは科によって違います。切り出し方を少し変えるだけで、話が早くなります。
内科・かかりつけ医
いちばん多い相談先です。ふだんの体調を長く見てくださっているぶん、通院がしんどくなってきたという話が伝わりやすい。切り出し方は、血圧やお薬の話が終わったあとに、最近の外出のしづらさを一つ添えるところからで十分です。痛みの場所と、いつごろからかを先に言えるようにしておいてください。
整形外科
画像や検査の結果をお持ちの場合は、話が具体的になります。診断名がはっきりしているぶん、同意書の病名も決まりやすい。一方で、リハビリに通っておられる場合は、同じ部位について医療保険のリハビリとはり・きゅうを同じ月に同時に算定することができませんので、そこの整理が先になります。いまどこで何を受けているかを伝えてください。
訪問診療・往診の先生
すでに自宅まで来てくださっている先生なら、通院がむずかしい状況はいちばんよく分かっておられます。説明がほとんど要りません。訪問の日に、ご家族から一言お伝えいただくのが確実です。書類のやりとりも、訪問のついでにお願いできることが多いです。
脳神経外科・リハビリテーション科
脳卒中のあとで通っておられる方が多い科です。退院してから時間が経ち、外来の間隔が空いてきた時期に相談が出やすい。麻痺した側の肩や腰の痛みなど、いま困っている症状を具体的にお伝えください。
精神科・心療内科
そちらだけにかかっておられる場合、体の痛みについては判断がむずかしいと言われることがあります。その場合は、体のほうを診てくださる先生を別に探すか、まず一度整形外科や内科を受診していただく形になります。
同意書に書かれる病名のこと
はり・きゅうを医療保険で受けられるのは、神経痛・リウマチ・頸肩腕症候群・五十肩・腰痛症・頸椎捻挫後遺症の六つについて、医師が施術の必要を認めた場合です。同意書には、このうちのどれかが病名として書かれます。
ここでよくある行き違いが二つあります。ひとつは、ご本人が思っている病名と、同意書に書かれる病名が一致しないこと。たとえば脳梗塞の後遺症で肩が痛む方の場合、同意書に書かれるのは脳梗塞ではなく、五十肩や頸肩腕症候群になります。病名が違うと感じても、それで合っています。
もうひとつは、六つのどれにも当てはまらないと思い込んでしまうことです。パーキンソン病や難病で療養されている方、認知症の方でも、体に出ている痛みやこわばりがこの六つのどれかに当たれば対象になります。病気の名前ではなく、いま出ている症状で見ます。どの病名になりそうかの見当は、お電話でお聞きになれば当院からお伝えできます。
かかりつけの先生がいないとき
どこにもかかっていない、という方もおられます。その場合は、まず一度受診していただくところから始まります。痛む場所に応じて整形外科か内科へ。診てもらったうえで、状態について同意書をお願いする形になります。
通院そのものがむずかしくて受診できない、という場合は、訪問診療を行っている医療機関を探すという道もあります。ケアマネジャーがついておられるなら、まずその方にご相談ください。どこに相談すればよいかからお困りの場合は、お住まいの市区町村の地域包括支援センターが入り口になります。当院からご案内することもできます。
よくある質問
同意書は整形外科でないともらえませんか?
いいえ。多くの場合、かかりつけの医師であれば内科や脳神経内科など、診療科を問わず同意書を書いてもらえます。その方の状態を分かっている医師であることが条件になります。
訪問診療の先生でも同意書を書けますか?
はい。在宅で診てくれている訪問診療・往診の主治医にお願いできます。状態を把握している先生なので連携も進めやすいです。
同意書を頼むのが不安です。手伝ってもらえますか?
はい。医師あての依頼書の準備から医療機関とのやりとりまで、のびのびが段取りします。ご家族が一から病院にお願いに行っていただく必要はありません。
同意書があると費用はどうなりますか?
医療保険の対象になり、お支払いは負担割合の分だけになります。はり・きゅうなら1回の総額3,950円のうち、1割の方でおよそ395円が目安です。
この記事の根拠
はり・きゅう、あん摩マッサージ指圧の療養費は、厚生労働省が定めた取扱いにもとづく制度です。制度そのものをご自身で確かめたいときは、厚生労働省の療養費について(新しいタブで開きます)をご覧ください。「被保険者のみなさまへ」の案内も、同じページからたどれます。
同意書の書式は、厚生労働省がはり、きゅう及びあん摩マッサージ指圧の同意書の取扱い(新しいタブで開きます)で公開しているものと同じです。