ご自宅の玄関で利用者を迎える訪問施術者

「訪問施術に興味はあるけれど、うちの親が保険の対象になるのか分からない」。この一点で問い合わせをためらう方は、とても多いです。

判断のポイントは、実はそれほど複雑ではありません。大きく言えば、医師が治療の必要を認める症状があること。そして、自分で通院するのが難しいこと。この2つが揃えば、年齢や特別な資格に関係なく、医療保険で受けられます。

1つめ:対象になる症状があること

訪問鍼灸と訪問マッサージでは、保険の対象になる症状が違います。まずここを押さえておくと分かりやすいです。

鍼灸のほうは、慢性的な痛みが中心です。坐骨神経痛などの神経痛、リウマチ、首や肩や腕のしびれをともなう頸腕症候群、五十肩、腰痛症、むち打ちの後遺症など。長く続く痛みやしびれで、薬だけではなかなか良くならない、という方が対象になります。

マッサージのほうは、筋肉の麻痺や関節の拘縮など、医療上マッサージが必要な状態が対象です。脳梗塞や脳出血の後遺症による麻痺、パーキンソン病による体のこわばり、骨折のあとや長く寝ていたことによる筋力の低下や関節の動きにくさなどが当てはまります。病名の重さよりも、「関節が硬い」「筋肉が麻痺している」といった症状があるかどうかが見るところです。

どちらに当てはまるか分からなくても大丈夫です。体の状態を伺えば、鍼灸とマッサージのどちらが向いているか、あるいは両方の相談ができるかを、こちらでご案内します。

2つめ:自分での通院が難しいこと

もう1つの条件は、自分の力で治療院や病院に通うのが難しいことです。訪問施術は、通院できない方のための在宅医療という位置づけだからです。

  • 寝たきりで外出できない
  • 歩くのが不安定で、一人での外出が難しい
  • 車いすで公共交通機関を使うのが難しい

まったく歩けない必要はありません。「付き添いがないと外に出られない」「長い距離や階段がつらい」といった状態でも対象になり得ます。迷ったら、そのままの状況を教えてください。

ご家族とともに施術内容の説明を受ける高齢の女性

かかりつけ医の同意書が必要です

保険を使うには、かかりつけのお医者さんに書いてもらう「同意書」が要ります。医師が「この方には鍼灸(またはマッサージ)による治療が必要だ」と認める書類で、保険適用の前提になるものです。

「先生に頼みにくい」「どう切り出せばいいか分からない」という声はよく聞きます。同意書の依頼は、依頼書の用意から医療機関とのやりとりの段取りまで、こちらでしっかりお手伝いします。ご家族が一から病院と交渉する必要は、ほとんどありません。

よくある誤解

年齢制限があるのでは、と思われがちですが、そうした制限はありません。ご高齢の方が中心ではあるものの、症状と通院の条件が合えば、年齢を問わず使えます。

要介護認定を受けていないと使えない、というのも誤解です。訪問鍼灸・マッサージが使うのは医療保険で、介護保険とは別の制度です。要介護認定がなくても、医師の同意書があれば利用できますし、すでに介護サービスを使っている方も、限度額を気にせず併用できます。

特別な難しい病気でないと対象にならない、と身構える方もいますが、そんなことはありません。長引く腰痛や神経痛、脳梗塞のあとの麻痺など、身近な症状が対象です。見られているのは病名の重さではなく、治療の必要性と通院の難しさです。

実際に、こんな方が受けています

たとえば、脳梗塞の後遺症で右半身に麻痺が残り、外出が難しくなった方。長年の坐骨神経痛で足のしびれと痛みが続き、通院がつらくなった方。パーキンソン病で体のこわばりが強く、付き添いがないと動きにくい方。骨折のあと体力が落ちて、寝ている時間が増え、関節が硬くなってきた方。いずれも「病院に通うのは難しいけれど、体のケアは続けたい」という状況です。

長く続いた痛みが楽になった方もいます。以前は座っているだけでも左膝が痛んでいた方が、膝をやわらげる施術を続けるうちに、痛みを感じなくなったと話してくださいました(その日は最後に肩もほぐしました)。こうした慢性的な痛みは、鍼灸で保険の対象になりやすい症状です。変化のあらわれ方には個人差がありますが、ご家族が「これって対象になるのかな」と思った時点で、一度確かめてみる価値はあります。

よくある質問

うちの家族が対象になるか、電話で聞くだけでも大丈夫ですか。
もちろん大丈夫です。体の状態と通院の状況を伺えば、対象になりそうかどうかをその場でお伝えできます。相談だけなら費用はかかりませんし、無理にお勧めすることもありません。

鍼灸とマッサージ、両方受けられますか。
原則として、同じ病名で両方を同時に保険で受けることはできません。ただ、症状によってどちらが向いているかは変わるので、状態を伺ったうえで合うほうをご提案します。

今は元気だけれど、将来のために話だけ聞いておきたい。
そうしたご相談も歓迎です。いざ必要になったときにすぐ動けるよう、情報を持っておくだけでも安心につながります。現在のお身体の状態や生活環境を伺いながら、ご利用いただける可能性や必要な手続きを、分かりやすくご案内いたします。

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