
訪問鍼灸マッサージで保険を使うには、医師の「同意書」が必要です。この一言でハードルを感じて、問い合わせをやめてしまう方は少なくありません。
でも実際のところ、ご家族がやることはそれほど多くありません。用紙の用意も、医療機関とのやりとりの段取りも、こちらでお手伝いするからです。この記事では、同意書とは何か、誰にどう頼むのか、その流れをひととおりお伝えします。読み終える頃には、「これなら進められそう」と思っていただけるはずです。
同意書って、そもそも何?
同意書は、かかりつけのお医者さんが「この方には鍼やお灸による治療が必要だ」と認める書類です。鍼灸に保険が使えるのは、あくまで医師が必要と認めた治療だから。その裏づけになるのが同意書で、保険適用のスタート地点になります。
難しい審査ではなく、お医者さんに状態を診てもらい、書類に記入していただくもの、と考えてください。書類には症状や病名、鍼灸による治療が必要である旨などが記入されますが、その中身をご家族が用意する必要はありません。こちらで用紙をそろえ、先生が記入しやすい形にしてお渡しします。
誰に頼めばいい?
頼む相手は、ふだん診てもらっているかかりつけの先生で大丈夫です。内科でも、整形外科でも、訪問診療の先生でもかまいません。特別な専門科である必要はなく、あなたの体のことを分かっている主治医に書いていただくのが基本です。
「かかりつけの先生がいない」「最近、病院にかかっていない」という場合も、あきらめないでください。まず一度受診して診てもらうところから始められますし、施設に入居している方なら、その施設の協力医(嘱託医)に相談できることもあります。どの先生に頼めばいいか分からないときは、状況を伺えばこちらで整理してご案内します。

もらうまでの流れ
大きな流れはシンプルです。まず、のびのびにご相談ください。お体の状態や通院の状況を伺い、保険の対象になりそうかを確認します。次に、こちらで同意書の用紙と、先生にお渡しする依頼の書類を用意します。あとは、かかりつけの先生の診察のときにそれを渡して、記入をお願いするだけです。書いていただいた同意書がこちらに届けば、保険を使った施術を始められます。
すでに定期的に通院されている方なら、その受診のついでにお願いできることがほとんどです。「先生に自分から切り出しにくい」という声はとても多いのですが、その気持ちはよく分かります。だからこそ、依頼の書類にこちらの説明を添えておくので、先生にも話が通りやすくなります。必要なら、医療機関とのやりとりの段取りもお手伝いします。ご家族が緊張して交渉する、という場面はほとんどありません。
知っておくと安心なこと
同意書は、対面の診察を受けたうえで書いていただくものです。オンライン診療だけでは交付できない決まりになっているので、一度は先生に直接診てもらう必要があります。逆に言えば、定期受診をしている方なら、その機会にお願いすればよい、ということです。
また、同意には期限があり、おおむね半年ごとに先生の再同意が必要になります。ずっと同じ同意書で続けられるわけではなく、期間が来たら、あらためて診てもらって書いていただく形です。とはいえ、その時期の管理もこちらで行い、近づいたらご案内するので、ご家族が期限を覚えておく必要はありません。
費用の面では、医療機関によって同意書の文書料が数百円から数千円ほどかかることがあります。金額は病院によって異なり、かからないところもあります。心配な場合は、受診の際に窓口で確認しておくと安心です。
よくあるつまずきと、その対処
たまにあるのが、先生が鍼灸の保険の仕組みにあまりなじみがなく、同意書の記入に戸惑われるケースです。そうしたときのために、制度の説明を添えた依頼書をお渡しするので、先生にも判断していただきやすくなります。それでも難しい場合は、こちらから補足の情報をお伝えすることもできます。
引っ越しや通院先の変更で主治医が変わったときも、新しいかかりつけの先生に同じように依頼できます。状況が変わったら、その都度ご相談ください。手続きが途切れないよう、一緒に進めていきます。
同意書をもらったあとは?
同意書が届いたら、そこから保険を使った施術がスタートします。あとは、決めたペースで訪問し、施術のたびに体のようすを記録していきます。その内容は、必要に応じて医師やケアマネジャーにも施術報告書という形で共有し、在宅の生活を支える方々と足並みをそろえます。医師は、この報告書を次の同意の判断材料にします。半年ごとの再同意の時期もこちらで管理し、近づいたらご案内するので、始めてしまえばご家族の手間はほとんどありません。
手続きは、家族が代わりに進められます
同意書の手続きは、ご本人に代わってご家族が進めることができます。ご本人がやりとりを覚えているのが難しい場合や、認知症がある場合でも、ご家族や施設の方の協力があれば大丈夫です。お子さん世代が遠方にお住まいで頻繁に立ち会えないときも、電話や郵送でやりとりを進められるので、離れていても手続きは前に進みます。まずは動ける方が一度ご連絡いただければ、そこから一緒に整えていきます。
よくある質問
今かかっている先生が鍼灸に詳しくないのですが、書いてもらえますか。
先生が鍼灸の専門家である必要はありません。あなたの状態を診て、治療が必要と判断していただければ大丈夫です。判断の材料になる情報は、こちらからも先生にお伝えします。
同意書をもらう前に、施術を試すことはできますか。
保険を使った施術は同意書が前提になりますが、まずは体の状態を見せていただく相談やお試しから始めることはできます。対象になりそうかを確かめてから、同意書の手続きに進めるので、順番に進めていきましょう。手続きが難しそうで不安、という方こそ、一度声をかけてください。

