
排便のトラブルや便失禁は、人になかなか言い出せないお悩みです。ご本人が恥ずかしさや申し訳なさを抱えてしまうことも少なくありません。けれど、これはご本人やご家族の責任ではありません。まずは安心して過ごせる時間にすること。そこを何より大切にしています。
先に要点だけ。便失禁や排便のトラブルにともなうお腹・腰のこわばりや痛みで、医師が治療の必要を認めた場合、医療保険での訪問鍼灸マッサージを受けられます。自己負担は1回あたり1割の方で約395円、2割の方で約790円が目安です。原因の見きわめはまず医療機関で。鍼灸は、お腹や腰を温めてめぐりを整える補助の役割です。
打ち明けにくいお悩みだからこそ、恥ずかしさを感じさせない場に
訪問の場では、声のかけ方、着替えや体位のとり方、話し声が外に漏れない環境づくりまで気を配ります。無理にお腹を出していただく必要はなく、いやなことは遠慮なくお伝えいただけます。触れられるのがこわいと感じる方には、やさしいお灸や手技を中心に、できる範囲で行うこともできます。
なぜ年齢とともに便秘や便失禁が起こりやすいのか
年齢を重ねると、腸を動かす力やお腹・骨盤まわりの筋肉が弱まり、便秘や、逆に便がもれてしまう便失禁が起こりやすくなります。体を動かす機会がへる、水分や食事の量がへる、お薬の影響、神経や肛門まわりの働きの変化など、背景はいくつも絡み合います。
便秘で硬くたまった便のまわりから水様の便がもれる、というように、便秘と便失禁が同時に関わっていることもあります。まずはいまどんな状態なのかを確かめることが、糸口を見つける第一歩になります。
自己判断の前に、隠れた原因がないか医師に診てもらう
ひとつ、大切にお伝えしておきたいことがあります。排便のトラブルや便失禁の裏には、腸や肛門の病気、神経の障害、お薬の影響など、医療機関でこそ見きわめられる原因が隠れていることがあります。
原因を調べて治療するのは、まず医療機関の役割です。鍼灸はそれに取って代わるものではなく、お腹や腰を温めてめぐりを整える、あくまで補助の役割だとお考えください。
鍼灸より先に受診していただきたいサイン
次のようなときは、まず医療機関の受診を優先してください。便に血が混じる、黒い便が出る、急に排便の様子が変わった、強いお腹の痛みや張り・発熱をともなう、急に体重がへった、便秘と下痢をくり返す、排便のコントロールが急にきかなくなった。いずれも病気の見きわめや治療が必要なことがあります。
かかりつけの医師やケアマネジャー、必要に応じて消化器や肛門の専門医にご相談ください。判断に迷うときも、ひとりで抱え込まず、まず相談してみることが、かえって安心につながります。
自宅では何を見るのか。お腹だけでなく体全体のめぐり
排便のお悩みでうかがったときは、お腹の張りやかたさ、冷えの程度、腰やお腹まわりの筋肉のこわばり、ふだんの食事や水分、体の動き方を、ご本人が話しやすい範囲でうかがいます。
排便は、お腹だけの問題ではありません。腰や骨盤まわり、体全体の冷えやめぐり、そして日々の活動量とつながっています。プライバシーに配慮しながら、必要なところだけをていねいに確かめ、ご本人のペースに合わせて進めていきます。
お腹と腰を温め、こわばりをゆるめる
鍼やお灸には、お腹や腰を温めて血のめぐりを促し、こわばった筋肉を和らげる働きが期待できます。お腹を温めるお灸は、冷えからくる不調をお持ちの方によろこばれることが多いものです。
鍼灸に加えて、お腹や腰をやさしくさする手技を組み合わせることもできます。これらについて別途の料金はいただきません。排便のトラブルそのものを治すものではありませんが、お腹まわりの緊張と冷えをゆるめ、体を整えていくことをめざします。
トイレの心配をせずに、暮らし慣れた家で受けられる
排便のお悩みは、外出そのものをためらわせます。トイレが心配、もれてしまわないか不安。そんな思いが、通院を大きな負担にします。ご自宅にうかがう形なら、その不安を抱えたまま出かける必要がありません。いつもの場所で、人目を気にせず落ち着いて施術を受けられます。
無理のない程度に、少しずつ整えていく
お腹まわりの緊張や冷えがゆるむと、体全体が軽く感じられることがあります。ただ、排便の状態は食事や活動量、その日の体調によっても変わるもので、感じ方には個人差があります。
一度で大きく変わるというより、原因への対処を医療機関で進めながら、体の土台を無理なく整えていく。その積み重ねが、暮らしの安心につながっていくと思っています。
施術のない日に、家でできるちょっとした工夫
水分をこまめにとる、食物繊維を意識してとる、お腹を冷やさない、痛くない範囲で体を動かす、決まった時間にトイレに座る習慣をつくる。こうした小さな工夫の積み重ねも、体を整える助けになります。
便失禁がある方は、皮膚を清潔に保ち、必要に応じて介護用品を上手に使うことも助けになります。ご家族だけで抱え込まず、ケアマネジャーや医療機関とも連携しながら進めましょう。迷うことがあれば、施術のときに遠慮なくお尋ねください。
排便の不安が、外出や活動量まで左右する
お腹の調子は、食欲や気分、活動量、そして外出への意欲と深くつながっています。排便の不安が続くと出かけるのがおっくうになり、動く機会がへって、さらにお腹の調子が乱れやすくなる。
この流れをゆるやかにするには、原因への対処を医療機関で行いながら、お腹や腰のこわばりと冷えを整え、無理のない範囲で体を動かし続けることが肝心です。鍼灸は、その土台づくりの一助になればと考えています。
保険で受けられる条件と、1回あたりの自己負担
便秘や便失禁という症状そのものが保険の対象になるわけではありません。それにともなうお腹や腰の慢性的な痛み・こわばりなどで、医師が治療の必要を認め、通院がむずかしい方が対象です。同意書の準備は当院がお手伝いします。
1回の施術は総額3,950円で、自己負担は1割の方で約395円、2割の方で約790円、3割の方で約1,185円です。週2回なら1割負担でひと月およそ3,160円が目安になります。公的な医療保険にもとづく料金です。介護保険の支給限度額とは別の枠なので、デイサービスやヘルパーの枠を圧迫することはありません。なお、同一部位について医療保険のリハビリと鍼灸を同じ月に同時に算定することはできません。手技や身体を動かす運動は鍼灸に加えるケアとして行います。これらについて別途の料金はいただきません。明細は月ごとにお渡しします。内訳は料金はいくら?医療保険の自己負担額と仕組みをご覧ください。
うかがえる範囲
うかがえるのは、大阪府の豊中市・吹田市・茨木市・高槻市・箕面市・摂津市・池田市、兵庫県の尼崎市・伊丹市、大阪市の淀川区・東淀川区・都島区・北区・旭区です。東京・神奈川は玉川院から世田谷区、川崎市の宮前区・高津区、横浜市の都筑区・青葉区にうかがっています。エリア内であれば別途の出張費・交通費はかからず、料金はどこでも一律です。うかがうのは平日の9時から18時までで、土曜・日曜・祝日はお休みをいただいています。
エリア内にお住まいであれば、ご本人・ご家族はもちろん、支援に関わる方からのご相談もお受けしています。はじめての方には無料体験をご用意しています。
よくある質問
便秘や便失禁でも保険は使えますか。
症状そのものより、それにともなうお腹や腰の慢性的な痛み・こわばりなどで、医師が治療の必要を認めた場合に対象になります。原因の精査はまず医療機関で行い、鍼灸はその補助として組み合わせる形です。
デリケートな悩みで、相談すること自体が気が引けます。
無理にお腹を出していただく必要はなく、話したくないことは話さなくてかまいません。プライバシーと尊厳に配慮し、ご本人のペースを尊重して進めます。こわいと感じることは遠慮なくお伝えください。
鍼灸で便失禁そのものが治りますか。
治すものではありません。お腹や腰のこわばりと冷えをゆるめ、体を整えていく補助の役割です。原因への対処は医療機関で進めていただき、そのうえで組み合わせていただくのが現実的です。感じ方には個人差があります。
どんなときに先に受診したほうがよいですか。
便に血が混じる、黒い便が出る、急に排便の様子が変わった、強いお腹の痛みや張り・発熱をともなう、急に体重がへった、排便のコントロールが急にきかなくなった。こうしたときは受診を優先してください。
お腹に触れられるのが苦手です。それでも受けられますか。
受けられます。お腹を出していただく必要はなく、腰や背中から温めていく進め方もできます。やさしいお灸や手技を中心に、できる範囲で行います。いやなことは遠慮なくお伝えください。
費用はどのくらいですか。
1回の施術は総額3,950円で、自己負担は1割の方で約395円、2割の方で約790円です。週1回なら1割負担でひと月およそ1,580円、週2回ならおよそ3,160円が目安になります。