
北区には大きな病院が多く、脳梗塞で運ばれてから退院するまでの道筋は、比較的整っている地域だと思います。問題はそのあとです。家に戻ると、体を動かしてくれる人の回数がだんだん減っていきます。週に何度も専門職が入っていたのが、週1回になり、期間が終われば区切りが来る。そこから先を誰が見るのか。大阪市北区で在宅を続けていく方、そして支えておられるご家族に向けて、訪問鍼灸マッサージがこの時期に受け持てることを書きます。
この記事のポイント
麻痺そのものを施術で元に戻すことはできません。治療とリハビリの方針は医師と療法士が中心です。訪問鍼灸マッサージが受け持つのは、麻痺した側の筋肉の緊張をやわらげること、動かさない時間から固くなっていく関節を保つこと、そして使いすぎている反対側の負担を軽くすることです。手足の力が急に落ちた、ろれつが回らない、顔の片側が動かないといった変化があれば、施術ではなくすぐに救急へ。医師の同意があれば医療保険が使え、1割負担で1回約395円(総額3,950円)。介護保険の限度額とは別枠です。
退院してから、体を動かす人がいなくなる時期
回復期のリハビリには期限があります。訪問リハビリが入っても回数には限りがあり、介護保険の枠の中でほかのサービスと取り合いになることもあります。結果として、退院から半年、1年と経つうちに、体を専門職に動かしてもらう機会がじわじわ減っていきます。
そのあいだ、ご家族が毎日手足を動かしてあげるというのは、言うほど簡単ではありません。どこをどこまで動かしていいのか分からない。痛がられると怖くて途中でやめてしまう。仕事や家事の合間に、毎日となると続きません。
この空白の時期に、週に何回か体に手を入れる人がいるということ自体に意味があります。関節がどこまで動くかを毎回確かめて、固くなり始めたところに先に手を入れる。変化に気づいてご家族と主治医に伝える。訪問でうかがっていて、いちばん役に立っている実感があるのはこの部分です。
麻痺のある側に、何ができて何ができないか
できないことを先に書きます。脳の損傷そのものを治すことはできません。麻痺が消えるわけでもありません。何回受ければ動くようになる、と言うこともできません。効果の感じ方には個人差があります。
できるのは、麻痺した側の筋肉の緊張をやわらげること、関節を動かせる範囲を保つこと、そして使いすぎている反対側の負担を軽くすることです。麻痺のある側は、力が入らないのに筋肉が張りつめるという状態になりやすく、そこに痛みが出ることもあります。肩が痛む、ふくらはぎが突っぱる、手指が開きにくい。ここに鍼とお灸で働きかけます。つっぱりの仕組みは脳梗塞後の手足のつっぱり・こわばり(痙縮)にまとめました。
動かさない時間が長いほど、関節は固まっていきます。ひじが曲がったまま固まれば袖を通すのに難儀し、足首が下を向いたまま戻らなければ立つときに踏ん張れません。これは根性や技術の問題ではなく、関節がどこまで動くかという話です。動く範囲が広ければ、同じ介助が軽く済みます。
動くほうの側が、先に痛み出すことがあります
麻痺していないほうの肩が痛い、という相談を実際によくいただきます。動く側の手足で体を起こし、支え、移るという動作を全部こなしていれば、その肩と腰に負担が集まります。
やっかいなのは、ここが痛むと今度は起き上がれなくなることです。動く機会がさらに減り、麻痺のある側もいっそう固くなる。健側の痛みは、放っておくと在宅の続けやすさそのものに響いてきます。
ですから施術では、麻痺のある側だけを見ません。動くほうの肩と腰、そして体を支えている背中まで含めて確かめます。ご本人は痛いところを言わないことも多いので、触って張っているところをこちらから探しにいきます。
言葉が出にくい方とのやり取り
脳梗塞のあと、言葉が出にくくなる方がおられます。聞いて分かっておられるのに、うまく言えない。痛いかどうかを尋ねても、返事に時間がかかる。こういうときに急かすと、伝えることそのものをあきらめてしまいます。
うかがったときは、返事を待ちます。はいといいえで答えられる形に聞き方を変える、指で示していただく、表情を見る。前回と比べて力の入り方がどうか、触ったときに引っ込めるかどうか。こちらが体から読み取る部分も増やします。
ご家族から見て、ふだんと違う様子があれば教えていただけると助かります。同じ人が毎回うかがうことの利点は、こういう積み重ねができるところにあります。
いま受けているリハビリと、重ねられるかどうか
確かめるのは、いま受けているリハビリが医療保険か介護保険か、という一点です。医療保険のリハビリを受けておられる場合、同一の部位について鍼灸を同じ月に同時に算定することはできません。介護保険の訪問リハビリやデイケアであれば、これにあたらないのでそのまま重ねられます。
どちらの保険で何を受けているかを正確に把握しておられる方は、そう多くありません。分からないままでご連絡いただいて構いません。サービスの一覧を一緒に見て整理します。担当のケアマネジャーがおられれば、そちらに確かめながら進めます。介護保険の支給限度額をぎりぎりまで使っておられる方でも、ほかを削らずに足せます。
梅田・天満から、区内のどこへでも
うかがう範囲は大阪市北区の全域です。梅田・中之島の周辺から、天満・南森町・扇町・中崎町、天神橋筋六丁目、大淀・豊崎、長柄・国分寺・本庄といった地域まで足を運んでいます。区境にあたる都島区や淀川区、福島区にお住まいの方も、まずは一度ご相談ください。マンションのオートロックは、あらかじめ解錠の段取りをご相談いただければそのまま伺えます。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に入居されている方への訪問も承っています。エリア内であれば別途の出張費・交通費はかかりません。区内全体のご案内は大阪市北区の訪問鍼灸マッサージにまとめました。
うかがったときは、まずその日の様子をうかがい、血圧と体温を測ります。脳梗塞のあとの方は血圧の管理が大事なので、ここは毎回欠かしません。数字を見て、その日は施術を控えたほうがいいと判断することもあります。麻痺にともなうこわばりや、それに伴う痛みについて医師が施術を必要と認めて同意した場合、はり・きゅうの施術が医療保険の対象になります。
費用は1回の総額3,950円に対し、自己負担は1割の方で約395円。週2回なら月あたりおよそ3,160円が目安です。要介護認定は必要ありません。内訳は料金はいくら?医療保険の自己負担額と仕組み、同意書の頼み方はかかりつけ医への頼み方と流れをご覧ください。うかがうのは平日の9時から18時までで、土曜・日曜・祝日はお休みです。はじめての方には無料体験をご用意しています。
よくある質問
麻痺は鍼灸で治りますか?
麻痺そのものを元に戻すことはできません。できるのは、麻痺した側の筋肉の緊張をやわらげること、関節を動かせる範囲を保って固まるのを防ぐこと、使いすぎている反対側の負担を軽くすることです。感じ方には個人差があります。
訪問リハビリが終わってしまいました。そのあとはどうすれば。
体を動かす機会が減る時期です。訪問鍼灸マッサージは医療保険のサービスなので、介護保険の枠とは別に足せます。関節の動く範囲を保つことと、こわばりをやわらげることを続ける形でお受けしています。
麻痺していないほうの肩が痛みます。これも見てもらえますか?
見ます。動く側で体を支え続けると、その肩と腰に負担が集まります。健側の痛みは珍しいことではなく、そこが痛むと動く機会がさらに減るので、放っておかないほうがよい部分です。
言葉が出にくいのですが、施術は受けられますか?
受けられます。はいといいえで答えられる形に聞き方を変えたり、指で示していただいたりしながら進めます。返事を急かすことはしません。ふだんと違う様子があればご家族から教えていただけると助かります。
訪問リハビリを受けています。併用できますか?
どちらの保険で受けておられるかによります。医療保険のリハビリの場合、同一部位について鍼灸を同じ月に同時に算定することはできません。介護保険の訪問リハビリであれば別枠なので併用できます。分からない場合は一緒に整理します。
血圧が高めなのですが大丈夫ですか?
毎回うかがったときに血圧を測り、施術を進めていい状態かを確かめます。数字によっては、その日は控えることもあります。主治医から指示が出ている場合は、その範囲でお受けします。
大阪市北区ならどこまで来てもらえますか?
北区は全域が対応エリアです。梅田・中之島の周辺から、天満・南森町・扇町・中崎町、天神橋筋六丁目、大淀・豊崎、長柄・国分寺・本庄まで伺っています。施設に入居されている方のところにもうかがいます。
1回いくらかかりますか?
自宅での1回の施術は総額3,950円で、1割負担の方はおよそ395円が目安です。週1回ならひと月の自己負担はおよそ1,580円ほど。手技や身体を動かす運動は鍼灸に加えるケアとして行い、別途の料金はいただきません。