
歩く練習をしているあいだ、口をぎゅっと閉じたまま、息を止めてしまう方がおられます。ご本人に自覚はありません。数歩進んだところで急に肩で息をし、もう疲れたとおっしゃる。訪問でお声をかけ、口を開けて息を吐きながら歩いていただいたところ、息切れが軽くなりました。
先に要点だけ。力を入れるときに息を止めるのは、誰にでもある自然な反応です。ただ、それが続くと血圧が上がり、疲れやすくなります。家での体操がすぐにしんどくなる、少し歩いただけで息が上がる。その背景に、息を止める癖があることがあります。感じ方には個人差があり、すべての方に当てはまるわけではありません。
力を入れるとき、人は息を止めます
重いものを持ち上げるとき、立ち上がるとき、体をひねるとき。人はとっさに息を止めて、お腹に力を入れます。そうすると体の幹が固まって、力が出しやすくなるからです。短いあいだであれば、これは理にかなった動きです。
問題は、それが続いたときです。息を止めているあいだ、胸のなかの圧が上がり、心臓に戻る血の流れが一時的に妨げられます。止めるのをやめた瞬間に血圧が大きく動くこともあります。高血圧や心臓の病気をお持ちの方、脳の血管の治療を受けたことがある方では、とくに気をつけたいところです。
歩く練習や体操で、それが起きています
家での運動は、もともと得意ではない動きを繰り返すことになります。うまくやろうとすると、体に力が入ります。力が入ると、口が閉じます。口が閉じると、息が止まります。この流れが、本人の気づかないところで起きています。
そうなると、10回の体操が終わるころには息が上がっています。ご本人は、体力が落ちたからだと受け取られます。ご家族も、無理をさせないほうがよいと考えて回数を減らされます。けれど実際には、呼吸のしかたのほうに原因があることがあります。
声をかけ続けないと、すぐ戻ります
口を開けてください、息を吐きながら、と申し上げると、その場では開きます。ただ、二、3回動いたところで、また閉じています。癖というのはそういうもので、一度の声かけでは変わりません。
ですから、訪問のあいだは動作のたびにお声をかけます。立ち上がるときに、はい、吐いて。足を上げるときに、ひとつ、ふたつ、と数えていただく。数を声に出していただくのがいちばん確実で、声を出しているあいだは息を止められません。
家でするときの、三つのやり方
ひとつめは、数を声に出して数えることです。心のなかで数えると息が止まります。小さな声でかまいませんので、口に出していただきます。
ふたつめは、力を入れるほうで息を吐くことです。立ち上がる、持ち上げる、押す。そのタイミングで、ふうっと吐きます。戻すときに吸います。この順番を体で覚えると、止めにくくなります。
みっつめは、口を閉じないことです。鼻で呼吸することにこだわらず、運動のあいだは口を少し開けておいていただきます。閉じている時点で、止まりやすくなっています。
ご家族が見るときのポイント
横で見ていると、意外とはっきり分かります。口がへの字に固く閉じている、首すじに筋が浮いている、顔が赤くなる、終わったとたんに大きく息を吐く。どれかが見えたら、息が止まっています。
そのときは、やめさせるのではなく、数を数えてもらってください。いち、に、さん、と一緒に声を出すと、自然に息が続きます。回数を減らす前に、呼吸を変えてみる。そのほうが、動く量を保てます。
施術のなかでも、同じことを見ています
鍼やお灸でこわばりをゆるめたあと、関節を動かす運動や、立ち上がりの練習を組み合わせます。これらについて別途の料金はいただきません。そのときに、呼吸が止まっていないかを見ています。止まったままで動かしても、力みが抜けないので効きが落ちますし、ご本人も疲れるだけです。
うつ伏せや横向きで受けていただくあいだも、同じです。痛いところに触れると、息を詰めて我慢される方がおられます。そういうときは手を止めて、一度吐いていただいてから進めます。我慢して受けていただく時間は、できるだけ作りたくありません。
こんなときは、運動より先に医師へ
呼吸のしかたで片づけてはいけない息切れもあります。少し動いただけで息が切れるようになった、横になると苦しくて眠れない、足のむくみが急に増えた、胸が締めつけられる、唇の色が悪い、咳や熱が続いている。こうしたときは、体操を続けるより先に主治医やかかりつけの医療機関へご相談ください。心臓や肺の側に原因があることがあります。
息切れの背景として考えられるものについては、高齢者の貧血・ふらつき・息切れや心不全のむくみ・息切れ・だるさもあわせてご覧ください。
費用の目安
1回の施術は総額3,950円で、自己負担は1割の方で約395円、2割の方で約790円、3割の方で約1,185円です。週2回なら1割負担でひと月およそ3,160円が目安になります。公的な医療保険にもとづく料金です。介護保険の支給限度額とは別の枠なので、デイサービスやヘルパーの枠を圧迫することはありません。なお、同一部位について医療保険のリハビリと鍼灸を同じ月に同時に算定することはできません。手技や身体を動かす運動は鍼灸に加えるケアとして行います。これらについて別途の料金はいただきません。明細は月ごとにお渡しします。内訳は料金はいくら?医療保険の自己負担額と仕組みをご覧ください。
うかがえる範囲
うかがえるのは、大阪府の豊中市・吹田市・茨木市・高槻市・箕面市・摂津市・池田市、兵庫県の尼崎市・伊丹市、大阪市の淀川区・東淀川区・都島区・北区・旭区です。東京・神奈川は玉川院から世田谷区、川崎市の宮前区・高津区、横浜市の都筑区・青葉区にうかがっています。エリア内であれば別途の出張費・交通費はかからず、料金はどこでも一律です。うかがうのは平日の9時から18時までで、土曜・日曜・祝日はお休みをいただいています。
家でどんな体操をされているか、どこでしんどくなるかを教えていただければ、やり方の組み立てからご相談にのります。はじめての方には無料体験をご用意しています。
よくある質問
運動のときに息を止めるのは、そんなに悪いことですか。
短いあいだであれば自然な反応です。ただ、続くと胸のなかの圧が上がって血圧が動きますので、高血圧や心臓の病気をお持ちの方は気をつけていただきたいところです。疲れやすさの原因になっていることもあります。
息を止めないようにするには、どうすればよいですか。
数を声に出して数えるのがいちばん確実です。声を出しているあいだは息を止められません。あわせて、力を入れるほうで息を吐く、運動のあいだは口を少し開けておく、この二つを意識していただきます。
一度言えば直りますか。
癖ですので、二、3回動いたところでまた閉じてしまうことがほとんどです。そのつど声をかけることが要ります。訪問のあいだは動作のたびにお声をかけ、ご家族にも見方をお伝えしています。
息切れがあるのですが、体操は続けてよいですか。
少し動いただけで息が切れるようになった、横になると苦しい、足のむくみが急に増えた、胸が締めつけられる。こうした変化があるときは、体操を続けるより先に主治医へご相談ください。心臓や肺の側に原因があることがあります。
施術のときも運動をしてもらえますか。
鍼やお灸でこわばりをゆるめたあと、関節を動かす運動や立ち上がりの練習を組み合わせます。これらについて別途の料金はいただきません。そのときに呼吸が止まっていないかも見ています。
費用はどのくらいですか。
1回の施術は総額3,950円で、自己負担は1割の方で約395円、2割の方で約790円、3割の方で約1,185円です。週2回なら1割負担でひと月およそ3,160円が目安になります。