変化は、一直線ではありません。体調の良い日もあれば、痛みや疲れが強い日もあります。だからこそ、その日の状態を確かめながら、生活の目標に向けて一歩ずつ進めます。ここでは、実際にあった6つの歩みを、そのままご紹介します。
どの歩みも、はじめの困りごとから、その日の体調に合わせた施術、ご本人の反応、そして次の目標へと、順を追ってご覧いただけます。うまくいった場面だけでなく、体調に合わせて内容を変えた場面も、あえてそのまま記しています。
足の冷えと、夜のしびれがやわらいだ実感
左足の強い冷えと、夜間のしびれ、寝つきにくさがありました。刺激の感じ方や皮膚の状態を確かめながら、鍼・お灸・手技を細かく調整。続けるうちに、「左右の足が同じくらいの温かさになった」「夜のしびれが以前よりずっとまし」「寝つきも少し良くなった」といった声をいただいています。感じ方には個人差があります。
ご本人の実感と、やけどや刺激を確かめる安全への配慮を、いつもセットで考えています。
数値を見て、「やらない・軽くする」判断も
施術の前には、毎回、血圧・脈拍・SpO₂(血中の酸素)・体温を確認します。血圧が低い日は施術を軽めに変え、お薬でふらつきのある日は運動を止めました。SpO₂が一時的に下がったときは、施設の看護師さんと確認し、休んでから測り直して回復を確かめたうえで、慎重に対応しています。
「やること」だけでなく「やらない判断」も、安心して続けていただくために大切にしています。
「近くのコンビニまで歩く」を目標に
はじめは施設のなかでの歩行練習から。少しずつ屋外の駐車場を10分、15分と延ばし、傾斜や段差、階段の昇り降りにも取り組みました。暑い日や疲れの強い日は、無理をせず屋内の訓練やコンディショニングに切り替えます。そうしながら、ご本人と「来月は近くのコンビニまで歩こう」という具体的な目標を共有しています。
歩いた距離だけでなく、その日の体調を見て進め方を変える安全への配慮と、「どこまで行きたいか」という生活の目標まで、一緒に見ています。
ベッドから車椅子へ。負担を減らす一歩
左脚に痛みがあり、座ることへの不安も強い状態からのスタートでした。痛みの少ない姿勢を一緒に探しながら、端座位(ベッドの端に座る練習)と関節を動かす訓練を重ね、施術者の介助でベッドから車椅子への移乗ができるようになりました。施設の職員さん、看護師さん、ケアマネジャーとも目標を共有し、まずは「安定して座れること」を目指しています。
ご本人の負担と、支える方の負担。その両方を軽くする一歩を、みんなで見守っています。
できる動作が、少しずつ増えていく
歩行やバランス、筋力の練習を続けるなかで、手を使わずにスクワットが5回できるようになりました。ベッドの上で足を組んで靴下を履く方法も身につき、ご家族と一緒に買い物へ出かける機会も増えていきました。もちろん、状態が変わったときには運動を止め、痛みへの対応を最優先にしています。
良い変化だけでなく、体調が変わったときにきちんと立ち止まる。その両方を含めて、誠実にお伝えしたい歩みです。
自分で足を上げる、足首を動かす
下肢の関節を動かす訓練と筋力の練習を続けました。数日前までは難しかった足上げが自分でできるようになり、足首の動きも前の月より良くなってきています。ご本人の感覚と実際の動きに差があるときは、「今、動いていますよ」と具体的にお伝えしながら、一緒に練習を続けています。
小さな変化を見のがさず、「できている」を言葉にして、ご本人の自信につなげていきます。
ここでご紹介しているのは、実際の施術記録を、個人が特定されないように整えたものです。お身体の感じ方やあらわれる変化には個人差があり、同じ結果をお約束するものではありませんが、その日の体調に合わせて、無理のない一歩を一緒に重ねていきます。
