
この記事の要点訪問鍼灸マッサージで医療保険の対象になるのは、医師が治療の必要を認めた慢性的な痛みなどです。はり・きゅうの療養費でよく挙げられる代表的な病名は、神経痛(坐骨神経痛など)・リウマチ・頸腕症候群・五十肩・腰痛症・頸椎捻挫後遺症(むちうち)の6つ。これらに近い症状があり、医師の同意があって通院がむずかしければ、家で保険を使って施術を受けられます。自己負担は1割の方で一回およそ395円(施術の総額3,950円の1割)、2割の方で790円が目安です。
そもそも、はり・きゅうに保険は使えるの?
「鍼やお灸に保険が利くとは思っていなかった」と、初めてお会いしたご家族に驚かれることがよくあります。けれど、医師が治療の必要を認めた慢性的な痛みなどには、公的な医療保険を使って施術を受けられます。市販の湿布や痛み止めでしのぐうちに、気づけば何か月も同じ痛みとつきあっていた。そんな方は珍しくありません。
保険(療養費)の対象として、よく名前が挙がるのが次の6つの症状です。ご本人の状態がこれらに重なるようなら、保険で受けられる見込みがあります。それぞれどんな状態が当てはまるのか順に見ていきますので、思い当たるものがないか照らし合わせながら読んでみてください。
| 対象になる症状 | 主な例・こんな症状に |
|---|---|
| ①神経痛 | 坐骨神経痛など、神経に沿った痛み・しびれ |
| ②リウマチ | 関節の痛み・こわばり・はれ |
| ③頸腕症候群 | 首から肩・腕にかけての痛みとしびれ |
| ④五十肩 | 肩が上がらない・夜間の痛み |
| ⑤腰痛症 | 慢性的な腰の痛み・重だるさ |
| ⑥頸椎捻挫後遺症 | むちうちの後に残る首の痛み・こり |
※関節拘縮や麻痺、変形性関節症などの慢性症状も、医師が必要と認めれば対象になることがあります。
①神経痛(坐骨神経痛など)
坐骨神経痛をはじめとする神経痛は、代表的な対象です。お尻から太もも、ふくらはぎへと走るような痛みやしびれ、わき腹の肋間に沿ってビリッと響く痛みなど、神経の通り道に沿って続く慢性的な痛みが当てはまります。歩いているうちに足がしびれてくる、夜になるとうずいて眠りが浅くなる、といった訴えもよく聞かれます。
長く続く痛みで、薬や湿布だけではなかなか楽にならないという方が、対象になりやすい症状です。
②リウマチ
関節リウマチによる関節の痛みやこわばりも対象です。とりわけ朝、手指や膝がこわばってすぐに動き出せない、天気が崩れる前になると節々がつらい、という声をよく伺います。主治医による薬の治療を土台にしたうえで、鍼やお灸で日々のつらさを和らげ、動かしやすさを保つお手伝いをします。
薬をやめて鍼灸に切り替えるのではなく、続けている治療に、体を整える手段をひとつ加えるとお考えください。
③頸腕症候群(首から肩・腕の痛みとしびれ)
首から肩、腕にかけての痛みやしびれ、だるさが続く状態は、頸腕症候群(頸肩腕症候群)と呼ばれます。長年の家事や仕事で首肩を酷使してきた方、加齢にともなって首肩がこわばりやすくなった方に多く、腕を上げると重い、指先がしびれる、といった形であらわれます。こうしたつらさが慢性的に続く場合に、対象になります。
④五十肩
肩が痛くて腕が上がらない、後ろに手が回らず着替えや洗髪がつらい、といった五十肩(肩関節周囲炎)も対象です。夜、寝返りのたびに肩が痛んで目が覚める、という方も少なくありません。痛いからと動かさずにいると、かえって動く範囲がせまくなりがちです。痛いからと肩を固めてしまうと、動く範囲がさらにせまくなりがちです。痛みをやわらげつつ、動かせる範囲を少しずつ取り戻していく。この二つを両立させていくのが、五十肩へのお手伝いになります。
⑤腰痛症
長く続く腰の痛み(腰痛症)も、代表的な対象です。立ち座りや歩き始めがつらい、朝起きたときに腰が固い、長く立っていられない、といった慢性的な腰の痛みが当てはまります。ご高齢の方に多く、痛みをかばっているうちに外出がおっくうになり、通院そのものがつらくなりやすい症状でもあります。
⑥頸椎捻挫後遺症(むちうちなど)
交通事故などのむちうち(頸椎捻挫)のあと、首や肩の痛み・しびれ、頭の重さが慢性的に残ることがあります。この頸椎捻挫後遺症も対象です。事故から時間がたっても、天気や疲れで症状がぶり返すという方もいらっしゃいます。急ぐ治療が一段落して落ち着いたあとの、長引くつらさに、無理のない範囲でお手伝いします。
この6つ以外は対象にならないの?
この6つは、あくまで代表的な例です。これ以外でも、医師が「鍼やお灸での治療が必要」と認めた慢性的な痛みなどであれば、対象になることがあります。たとえば脳梗塞のあとに残った手足の痛みやこわばり、変形性関節症による慢性的な痛みなども、症状によっては対象になることがあります。
逆に、はっきりした病名がついていない一時的な痛みや、起きたばかりの急な痛みは、医療機関での診断が先になります。「うちの症状は当てはまるだろうか」と迷ったときは、自己判断せず、いちど体の状態を聞かせてください。対象になりそうかどうかをお伝えできます。
保険を使うには何が必要?二つの条件
保険で受けるには、二つの条件がそろう必要があります。ひとつは、かかりつけ医が施術の必要を認め、同意書を書いてくれること。もうひとつは、訪問の場合、ご自身での通院がむずかしいことです。同意書と聞くと手続きが大変そうですが、医師への依頼の段取りからこちらでお手伝いしますので、ご家族が一から病院とやりとりする必要はほとんどありません。
同意書をお願いして一度は断られても、伝え方を変えたり、ほかにかかっている医師に相談したりで、道が開けることもあります。うまくいかないときこそ、遠慮なく声をかけてください。
結局、いくらかかるの?
公的な医療保険を使うので、かかった費用のうち自己負担分だけをお支払いいただきます。特別な割引ではなく、保険にもとづく正規の料金です。訪問で一人が一種類の施術を受けると、施術の総額は3,950円。1割負担の方でおおよそ一回395円、2割負担の方で790円が目安です。
介護保険の支給限度額とは別の枠なので、デイサービスやヘルパーを利用していても、その枠を気にせず受けられます。明細は月ごとにお渡ししますので、どんな施術をしたかをご家族でも確かめられます。
家まで来てもらう、という選び方
ここまで挙げた症状は、どれも通院そのものが負担になりやすいものばかりです。痛みをこらえて出かけ、待合室で長く座り、また痛みをおして帰る。それだけで一日分の力を使いきってしまう、という声をよく伺います。訪問なら、住み慣れた家で横になったまま施術を受けられ、移動でよけいに痛みを増やすことも、ご家族が送り迎えに時間をとられることもありません。
暮らしの場を見ながら、どの動きがつらいのかを一緒に確かめられるのも、家に伺うからこそです。
対象になるか、まず確かめてみてください
代表的な症状をひととおりご紹介しましたが、いちばん確実なのは、いまの体の状態を伺って確かめることです。お電話やメールで、いまの症状と通院の状況を教えていただければ、保険で受けられそうかを、その場でお答えします。相談だけなら費用はかかりませんし、無理に契約をおすすめすることもありません。
よくある質問
Q6つのどれにもぴったり当てはまらない気がします。それでも受けられますか。
A6つはあくまで代表例です。脳梗塞のあとに残った手足の痛みや、変形性関節症の慢性的な痛みなど、この6つに入らない症状でも、医師が治療の必要を認めれば対象になることがあります。「これは違うかも」と感じる症状こそ、いちど聞かせてください。
Q6つの症状が重なっている場合はどうなりますか。
Aたとえば腰痛症と神経痛の両方がある、といった場合も、医師が治療の必要を認めていれば対象になります。伺ったときは、痛む場所だけでなく体全体の状態を見ながら、その日の様子に合わせて進めます。
Q結局いくらかかりますか。
A訪問で一人一種類の施術なら、総額3,950円の1割で、おおよそ一回395円が目安です。介護保険の限度額とも別の枠です。明細は月ごとにお渡しします。たとえば週1回なら月およそ1,580円、週2回なら月およそ3,160円(いずれも1割の方)が目安です。
それぞれの症状の詳しいケアは、坐骨神経痛・腰から足の痛み、関節リウマチ、五十肩・肩の痛み、首肩のこり・腕のしびれ、脊柱管狭窄症の各ページもご覧ください。
鍼のあとの「スッキリ」を、保険で続ける
医療保険の対象になるのは、医師が治療を必要と認めた慢性的な痛みなどです。坐骨神経痛・脳梗塞の後遺症・五十肩・膝の痛み・関節リウマチ・神経痛といった症状が代表的です。続けて受けている方から、こんな声もいただいています。
鍼をしてもらうとスッキリするので、うれしいです。
自己負担は1割でおよそ395円。ご自分が対象になるかどうかは、体の状態を伺えばお伝えできます。
※実際の施術記録をもとに、個人が特定されない形で整えています。ご本人の感想であり、感じ方や変化には個人差があります。同じ結果をお約束するものではありません。



