
脳梗塞のあとの在宅で、じわじわ進むのは行動範囲の縮小です。退院した当初はトイレまで歩いていたのが、ポータブルトイレになる。居間まで出ていたのが、ベッドの上で一日が終わるようになる。そのつど理由はあります。転びそうだから。手間がかかるから。本人がしんどそうだから。ただ、縮んだ範囲は自然には戻りません。東淀川区で在宅を続けていく方、そして支えておられるご家族に向けて、この縮みをどこで食い止められるのかを書きます。
この記事のポイント
麻痺そのものを施術で元に戻すことはできません。治療とリハビリの方針は医師と療法士が中心です。訪問鍼灸マッサージが受け持つのは、麻痺した側の筋肉の緊張をやわらげること、動かさない時間から固くなっていく関節を保つこと、そして使いすぎている反対側の負担を軽くすることです。手足の力が急に落ちた、ろれつが回らない、顔の片側が動かないといった変化があれば、施術ではなくすぐに救急へ。医師の同意があれば医療保険が使え、1割負担で1回約395円(総額3,950円)。介護保険の限度額とは別枠です。
動ける範囲が縮むと、体はそれに合わせて固まります
人の体は、使う範囲に合わせて作り変わっていきます。ベッドの上で一日を過ごすようになれば、立つために必要な筋肉と関節の動きは、使われないぶんだけ落ちていきます。半年前は手すりを持てば立てたのに、いまは支えても膝が伸びない。こういう変化は、ある日を境に起こるのではなく、気づかないうちに積み上がります。
やっかいなのは、この縮みが合理的な判断の積み重ねで起きることです。転倒を避けるためにベッドで過ごしてもらう。介助の手間を減らすためにポータブルトイレを置く。どれも、その場では正しい判断です。ただ、その結果として動く機会が減っていくことは、別に見ておく必要があります。
訪問でうかがうときにいちばん気にしているのは、この部分です。関節がどこまで動くかを毎回確かめ、先週より狭くなっていれば、そこに手を入れる。数字にならない小さな変化を、比べながら追いかけていきます。
麻痺のある側に、何ができて何ができないか
できないことを先に書きます。脳の損傷そのものを治すことはできません。麻痺が消えるわけでもありません。何回受ければ動くようになる、と言うこともできません。効果の感じ方には個人差があります。
できるのは、麻痺した側の筋肉の緊張をやわらげること、関節を動かせる範囲を保つこと、そして使いすぎている反対側の負担を軽くすることです。麻痺のある側は、力が入らないのに筋肉が張りつめるという状態になりやすく、そこに痛みが出ることもあります。肩が痛む、ふくらはぎが突っぱる、手指が開きにくい。ここに鍼とお灸で働きかけます。つっぱりの仕組みは脳梗塞後の手足のつっぱり・こわばり(痙縮)にまとめました。
関節が固まっていくと、介助そのものが重くなります。ひじが曲がったまま固まれば袖を通すのに難儀し、股関節が固ければベッドから足を下ろすだけで時間がかかる。足首が下を向いたまま戻らなければ、立つときに踏ん張れません。動く範囲が広ければ、同じ介助が軽く済みます。詳しくは関節の拘縮・寝たきりを防ぎたい方へをご覧ください。
寝ている時間が長くなると、背中と肩に出ます
ベッドで過ごす時間が長い方の体を触ると、肩甲骨のまわりと背中が板のようになっていることがあります。同じ姿勢で体重がかかり続け、寝返りが減り、胸が開かない。そこに痛みが出て、痛いからさらに動かさなくなる。
ここは施術で手を入れやすいところでもあります。肩甲骨を動かし、背中をゆるめ、胸を開く。それだけで呼吸が深くなったと言われる方もおられます。あわせて、床ずれのできやすい場所も毎回見ています。赤みが引かない箇所があれば、その日のうちにご家族と、必要なら訪問看護の方にもお伝えします。
体の向きを変えるときにどこを持つと動きやすいか、どの順番で起こすと楽か。うかがったときにお伝えできることがあります。ご家族が立ち会える日に一緒に見ていただく形でも、ご本人おひとりのところへうかがう形でも続けられます。
動くほうの側が、先に痛み出すことがあります
麻痺していないほうの肩が痛い、という相談を実際によくいただきます。動く側の手足で体を起こし、支え、移るという動作を全部こなしていれば、その肩と腰に負担が集まります。
ここが痛むと今度は起き上がれなくなり、動く機会がさらに減って、麻痺のある側もいっそう固くなる。健側の痛みは、放っておくと在宅の続けやすさそのものに響いてきます。ご本人は痛いところを言わないことも多いので、触って張っているところをこちらから探しにいきます。
いま受けているリハビリと、重ねられるかどうか
確かめるのは、いま受けているリハビリが医療保険か介護保険か、という一点です。医療保険のリハビリを受けておられる場合、同一の部位について鍼灸を同じ月に同時に算定することはできません。介護保険の訪問リハビリやデイケアであれば、これにあたらないのでそのまま重ねられます。
どちらの保険で何を受けているかを正確に把握しておられる方は、そう多くありません。分からないままでご連絡いただいて構いません。サービスの一覧を一緒に見て整理します。担当のケアマネジャーがおられれば、そちらに確かめながら進めます。介護保険の支給限度額をぎりぎりまで使っておられる方でも、ほかを削らずに足せます。
淡路・上新庄から、区内のどこへでも
東淀川区は淡路・上新庄を中心に、井高野・大隅・瑞光・小松・だいどう豊里・大桐、菅原・東中島・柴島といった地域まで足を運んでいます。区境にあたる淀川区・都島区・旭区、それに吹田市や摂津市の一部にお住まいの方も承っています。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に入居されている方への訪問も承っています。エリア内であれば別途の出張費・交通費はかかりません。区内全体のご案内は東淀川区の訪問鍼灸マッサージにまとめました。
うかがったときは、まずその日の様子をうかがい、血圧と体温を測ります。脳梗塞のあとの方は血圧の管理が大事なので、ここは毎回欠かしません。数字を見て、その日は施術を控えたほうがいいと判断することもあります。麻痺にともなうこわばりや、それに伴う痛みについて医師が施術を必要と認めて同意した場合、はり・きゅうの施術が医療保険の対象になります。
費用は1回の総額3,950円に対し、自己負担は1割の方で約395円。週2回なら月あたりおよそ3,160円が目安です。要介護認定は必要ありません。内訳は料金はいくら?医療保険の自己負担額と仕組み、同意書の頼み方はかかりつけ医への頼み方と流れをご覧ください。うかがうのは平日の9時から18時までで、土曜・日曜・祝日はお休みです。はじめての方には無料体験をご用意しています。
よくある質問
麻痺は鍼灸で治りますか?
麻痺そのものを元に戻すことはできません。できるのは、麻痺した側の筋肉の緊張をやわらげること、関節を動かせる範囲を保って固まるのを防ぐこと、使いすぎている反対側の負担を軽くすることです。感じ方には個人差があります。
ベッドで過ごす時間が長くなってきました。
背中と肩甲骨のまわりが固くなりやすい時期です。そこをゆるめて胸を開くことと、関節の動く範囲を保つことを続けます。床ずれのできやすい場所も毎回見て、気になる箇所があればご家族にお伝えします。
麻痺していないほうの肩が痛みます。これも見てもらえますか?
見ます。動く側で体を支え続けると、その肩と腰に負担が集まります。健側の痛みは珍しいことではなく、そこが痛むと動く機会がさらに減るので、放っておかないほうがよい部分です。
寝たきりに近い状態でも受けられますか?
受けられます。ベッドに寝たままの姿勢で施術します。起き上がっていただく必要はありません。体の向きを変えるときも、無理のない範囲で行います。
訪問リハビリを受けています。併用できますか?
どちらの保険で受けておられるかによります。医療保険のリハビリの場合、同一部位について鍼灸を同じ月に同時に算定することはできません。介護保険の訪問リハビリであれば別枠なので併用できます。分からない場合は一緒に整理します。
血圧が高めなのですが大丈夫ですか?
毎回うかがったときに血圧を測り、施術を進めていい状態かを確かめます。数字によっては、その日は控えることもあります。主治医から指示が出ている場合は、その範囲でお受けします。
東淀川区ならどこまで来てもらえますか?
東淀川区は全域が対応エリアです。淡路・上新庄を中心に、井高野・大隅・瑞光・小松・だいどう豊里・大桐、菅原・東中島・柴島まで伺っています。施設に入居されている方のところにもうかがいます。
1回いくらかかりますか?
自宅での1回の施術は総額3,950円で、1割負担の方はおよそ395円が目安です。週1回ならひと月の自己負担はおよそ1,580円ほど。手技や身体を動かす運動は鍼灸に加えるケアとして行い、別途の料金はいただきません。