
「この仕事、これからどうなっていくんだろう」。転職を考えるとき、給料や休みと同じくらい、その先に将来があるかどうかは気になるところだと思います。先に言ってしまうと、訪問鍼灸マッサージは、これから長く必要とされていく仕事だと考えています。その理由は、日本の人口の変化にあります。
65歳以上が、3人に1人に近づいている
総務省の集計では、2025年の時点で65歳以上の方は総人口のおよそ29.4%、人数にして約3,619万人にのぼります。これは過去いちばん高い割合です。おおまかに言えば、街ですれ違う3人にひとりが高齢の方、という時代に入っています。
しかも2025年には、いわゆる「団塊の世代」が全員75歳以上になりました。これから増えていくのは、とりわけ体が弱りやすい後期高齢者の方々です。つまり、体のケアを必要とする人が、これからさらに増えていくということです。
「通いたくても通えない」人が、確実に増えていく
年を重ねると、痛みやまひ、足腰の弱りで、これまで通えていた病院や治療院に足を運ぶのがつらくなってきます。付き添いが必要になったり、行き帰りと待ち時間で一日が終わってしまったり。
高齢の方が増えるほど、「通いたくても通えない」方も増えます。その人たちの体をケアする方法として、自宅まで来てもらう形。訪問鍼灸マッサージの出番が、これから増えていきます。院に来られる方を待つのではなく、こちらから伺う。そこに、これからの伸びしろがあります。
医療保険で受けられるから、需要が安定している
訪問鍼灸マッサージは、医師の同意にもとづいて医療保険(療養費)を使って受けられます。自己負担は1割の方でおよそ395円です。費用の負担が軽いことは、利用する側の「続けやすさ」に直結します。
続けて受ける方が多いということは、施術者にとっても、安定して必要とされ続けるということです。一度きりで終わる仕事ではなく、同じ方と長くお付き合いしていく。腰を据えて働ける土台が、制度の面からも整っています。
そのため、担い手が足りていない
需要が伸びる一方で、訪問に出られる施術者はまだ十分とはいえません。国家資格(あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師)を持つ人が活躍できる場は、院の中だけではなくなってきています。資格を活かして、これから伸びる分野で長く働きたい方にとって、訪問はちょうど追い風の中にある選択肢です。
正直に言うと、単価は自分では上げられません
良い面ばかり書くのはフェアではないので、はっきりさせておきます。訪問での施術は医療保険(療養費)の枠組みで行いますので、1回あたりの金額は制度で決まっています。自費の施術のように、腕を上げたから単価を倍にする、という働き方ではありません。
では数でカバーするのかというと、そこにも限りがあります。移動の時間があるので、1日に回れる件数はおのずと決まりますし、詰め込みすぎれば体がもちません。
ですから、この仕事は「単価を上げて短期間で大きく稼ぐ」タイプの仕事ではありません。そのかわり、需要が制度に支えられていて景気に左右されにくく、同じ方と長くお付き合いしながら、腰を据えて続けられます。どちらを求めるかは人それぞれですので、ここは最初に知っておいていただきたいところです。
あん摩マッサージ指圧師の免許は、訪問でとくに生きます
在宅で受ける施術には、はり・きゅうの療養費と、あん摩マッサージ指圧の療養費という、別々の枠組みがあります。前者は神経痛や腰痛症などの慢性的な痛みについて、後者は麻痺や関節の動かしにくさなどについて、それぞれ医師が必要と認めた場合が対象です。
つまり、対象になる体の状態が違います。両方の免許をお持ちの方であれば、それだけ幅広い状態の方にうかがえることになります。院の中では意識しにくい違いですが、訪問ではここがそのまま仕事の幅になります。
のびのびでは、この点を資格手当に反映しています。はり師・きゅう師が40,000円からなのに対し、あん摩マッサージ指圧師は90,000円からです。もちろん、どちらか一方の方も歓迎しています。
院の中で働くのと、何が違うのでしょうか
いちばん違うのは、集客に左右されにくいことです。院の中で働いていると、新規のお客様が来るかどうか、リピートしてもらえるかどうかが、そのまま日々の忙しさや評価につながります。訪問は、医師の同意にもとづいて継続して伺う形ですので、新規獲得に追われる感覚はほとんどありません。
指名や売上のノルマもありません。そのかわり、移動の時間があり、一人で動く時間が長くなります。ここを気楽と感じる方と、心細いと感じる方がいますので、向き不向きはあると思います。
機械に置き換わりにくく、長く続けられる
この仕事の中心にあるのは、人の体に触れ、その日の状態を確かめ、言葉を交わすことです。手の感覚や、相手の不安をほどく会話は、数値やマニュアルだけでは代わりがききません。記録などの事務がデジタルで楽になっても、施術そのものは人の手に残ります。
年齢を重ねても続けやすいのも、この働き方の良いところです。慌ただしい院の中とは違い、一対一で落ち着いて向き合う仕事なので、積み重ねた経験がそのまま強みになっていきます。
これからの在宅を、のびのびで一緒に
のびのびは、大阪府北部と兵庫県の一部で、ご自宅や施設へ伺う訪問鍼灸マッサージを行っています。増えていく「通えない方」を支える現場は、これからも広がっていきます。伸びていく分野で、資格を活かして長く働きたい方。まずは一度、お気軽にご相談ください。
年齢のことが気になって迷っておられる方は「鍼灸師に年齢制限はある?40代・50代から訪問で働く」を、資格を活かした次の進み方をお考えの方は「鍼灸師はケアマネジャーになれる?受験資格と実務経験」もあわせてご覧ください。
よくある質問
Qこの先も需要は続きますか。
A高齢の方はこれからも増えていく見通しで、通院がむずかしい方向けの在宅ケアの必要性は高まっていくと考えられます。景気の波よりも、人口の変化に支えられた分野だといえます。
Q未経験でも、この分野で始められますか。
Aはい。国家資格があれば、訪問が未経験の方も同行研修から始められます。くわしくは「未経験・ブランクからでも大丈夫」もご覧ください。
QAIや機械に仕事を奪われませんか。
A体に触れて状態を確かめ、その日に合わせてケアを組み立てる部分は、人にしかできません。事務作業が楽になることはあっても、施術そのものはなくなりません。
Q地方でも需要はありますか。
A高齢化はむしろ地方で先に進んでいます。地域によって濃淡はありますが、通えない方がいる場所には、どこでも必要とされる仕事です。



