
訪問で受けられる『はり』『きゅう(お灸)』『マッサージ』は、それぞれ何が違い、どう使い分けるのか――ご本人やご家族から、よくお問い合わせいただきます。ざっくり言えば、はりは細い鍼で体のツボなどに刺激を与え、きゅうは温熱で温め、マッサージは手技で筋肉をほぐす方法です。のびのび訪問施術院では、国家資格をもつはり師・きゅう師がご自宅へ伺い、体の状態やご本人の好みに合わせて選び、組み合わせて行います。この記事では三つの違いと使い分けの目安を、はじめての方にも分かるようにご説明します。
要点から。はり(鍼)は細い鍼でツボや筋肉に刺激を与える方法、きゅう(灸)はもぐさの温熱で温める方法、マッサージ(あん摩マッサージ指圧)は手のひらや指の手技でほぐす方法です。それぞれの向き不向きに合わせて選び、訪問では一回のなかで組み合わせて用いることもできます。いずれも医師が必要と認めれば医療保険の対象で、料金は1回3,950円、自己負担は1割で約395円が目安。エリア内は別途の出張費がかかりません。介護保険の区分支給限度額とは別枠で、要介護認定は不要ですが医師の同意書が必要です。効果には個人差があります。
「はり(鍼)」は、細い鍼でツボや筋肉に働きかける
はり(鍼)は、髪の毛ほどの細い鍼を、体のツボや、こわばった筋肉のポイントに用いる方法です。『痛そう』というイメージをもたれがちですが、注射の針とはまったく違い、多くの方が思ったより痛くないと感じられます。筋肉の緊張をやわらげたり、血のめぐりをうながしたりする働きが期待できます。
刺激の強さは、その方に合わせて調整できます。鍼が初めての方や苦手な方には、ごく浅く・やさしく行うこともできますので、まずは無理のない範囲から試していただけます。合わないと感じたときは、いつでも方法を変えられます。
「きゅう(お灸)」は、温熱で体をゆるめる
きゅう(灸)は、もぐさを使って、ツボや冷えた部分を温める方法です。じんわりとした温かさが心地よく、冷えの強い方や、体を芯から温めたい方に向いています。『熱そう』と思われがちですが、やけどをするような熱さではなく、心地よい温かさになるよう加減します。
冷えやめぐりの悪さからくる不調に対して、はりや手技とあわせて用いることが多い方法です。体をほっとゆるめる時間にもなり、緊張がとけてリラックスできたとおっしゃる方もいらっしゃいます。感じ方には個人差があります。
「マッサージ(あん摩マッサージ指圧)」は、手技で筋肉をほぐす
マッサージ(あん摩マッサージ指圧)は、手のひらや指を使って、こわばった筋肉をほぐし、血のめぐりやリンパの流れをうながす方法です。関節を動かしにくい方の動かしやすさを支えたり、むくみをやわらげたりする面でも役立ちます。
道具を使わず、手の感触で体の状態を確かめながら行えるのも特徴です。触れられることの心地よさや安心感も、マッサージの大切な働きの一つだと考えています。鍼やお灸が苦手な方は、まずマッサージから始めることもできます。
それぞれの向き・不向き(使い分けの目安)
大まかな目安として、はりは筋肉の深いこわばりや痛みのポイントに、きゅうは冷えの強い部分やめぐりの悪さに、マッサージは広い範囲のこわばりや動かしにくさに、それぞれ向いていると言われます。ただし、どれが合うかは症状や体質によって変わり、はっきり線引きできるものではありません。
『刺激はやさしいほうがいい』『温かいのが心地よい』といったご本人の好みも、大切な手がかりです。合う・合わないは、受けてみて確かめていくのがいちばんですので、初めは様子を見ながら、その方に合う形を一緒に見つけていきます。
訪問では、症状や好みに合わせて組み合わせる
はり・きゅう・マッサージは、どれか一つだけを用いることもあれば、体の状態に合わせて組み合わせることもあります。たとえば、こわばった筋肉を手技でほぐしつつ、冷えの強い部分をお灸で温め、痛みの強いポイントに鍼を用いる、といった形です。一回の訪問のなかで、必要に応じて使い分けます。
ご本人の『これは苦手』『これは心地よい』という声を大切にし、苦手なものは無理に用いません。どのように組み合わせるかは、その日の体調やご希望をうかがいながら決めていきます。誰がどんなときに受けられるかは、誰が受けられるもあわせてご覧ください。
保険の扱いが、少し異なります
はり・きゅうと、マッサージ(あん摩マッサージ指圧)は、医療保険のうえでの扱いが少し異なります。はり・きゅうは、神経痛や腰痛症といった慢性的な痛みなどに対して医師が必要と認めた場合に、マッサージは、麻痺や関節の動かしにくさなどに対して医師が必要と認めた場合に、それぞれ対象となります。
どちらにあたるか、あるいは両方が使えるかは、体の状態によって変わります。分かりにくい部分は施術院がていねいにご説明しますので、ご安心ください。制度の全体像は総合ガイド、保険の仕組みは医療保険か介護保険かもご参照ください。
医療機関の治療が主、鍼灸マッサージは補助
大切な前提として、病気やけがそのものの治療は、医療機関で受けるのが主となります。訪問で受けるはり・きゅう・マッサージは、その治療の代わりではなく、こわばりや痛みをやわらげ、動きやすさや暮らしやすさを支える補助の立場にあります。
急な脱力やしびれ、排尿・排便の異常、激しい痛み、発熱などがあるときは、施術より先に医療機関へご相談ください。ふだんから主治医とのつながりを保っていただくことが、安心につながります。気になる変化は、ためらわずご相談いただければと思います。
気になる費用のこと
医師が施術を必要と認め、通院がむずかしい状態であれば、はり・きゅうやマッサージの医療保険が使えます。自己負担は、施術総額3,950円に対して、1割の方で1回約395円、2割で790円、3割で1,185円が目安です。どの方法を用いても、また組み合わせても、この負担の目安は大きく変わりません。
エリア内は別途の出張費・交通費がかかりません。お支払いは1か月ごとにまとめ、その月の施術内容がわかる明細をお渡しします。週2回のペースなら、ひと月の自己負担はおよそ3,160円ほど(1割の方)が見当です。料金のしくみも、あわせてご確認いただけます。
初めての方が心配されること・受けはじめの流れ
『鍼は痛い?』『お灸は熱い?』というのは、初めての方がよく心配される点です。どちらも、刺激や温かさの加減をその方に合わせて調整できますので、思ったよりずっとやさしいと感じる方が多いものです。不安な方は、まずマッサージから、鍼はごく浅くから、といった形も選べます。
受けはじめは、まずお電話などで、体の困りごとや、はり・きゅう・マッサージについて気になる点をお聞かせください。体の状態やご希望に合わせて、どの方法が合いそうかをご説明し、初回は様子を見ながら進めます。苦手なものは無理に用いません。費用は制度で決まっているので、あとから思わぬ請求が来ることもありません。
よくある質問
はり・きゅう・マッサージは、何がいちばん違うのですか?
はりは細い鍼でツボや筋肉に刺激を与える方法、きゅうはもぐさの温熱で温める方法、マッサージは手のひらや指の手技でほぐす方法です。刺激・温熱・手技という働きかけ方が主な違いです。
三つとも受けられますか?
症状や体の状態に合わせて、一回の訪問のなかで組み合わせて受けられる場合があります。どれが合うかは様子を見ながら決めていきます。苦手なものは無理に用いません。
どれを選べばよいか分かりません。
こわばりや痛み、冷えなどの症状と、刺激や温かさへの好みをうかがい、合いそうな方法をご提案します。合う・合わないは受けてみて確かめられますので、まずはご相談ください。
苦手なものは断れますか?
はい。苦手なものは無理に用いません。マッサージから始める、鍼はごく浅くから試すなど、その方に合わせて選べます。合わないと感じたら、いつでも方法を変えられます。
はり・きゅうとマッサージで、保険の扱いは違いますか?
医療保険のうえでの扱いは少し異なり、それぞれ医師が必要と認めた場合に対象となります。両方が使える場合もあります。分かりにくい部分は施術院がご説明します。
出張費や交通費は別にかかりますか?
エリア内は別途の出張費・交通費はかかりません。料金に含まれており、自己負担は1割の方で1回約395円(施術総額3,950円)が目安です。
どの方法でも料金は同じですか?
はい。はり・きゅう・マッサージのどれを用いても、また組み合わせても、料金は1回3,950円、1割の方で約395円が目安で、大きく変わりません。
要介護認定を受けていなくても頼めますか?
はい。訪問鍼灸マッサージは医療保険で受けるため、要介護認定は不要です。介護保険の区分支給限度額とも別枠です。ただし医師の同意書が必要になります。


