ケアマネ向け|訪問鍼灸マッサージの連携とご利用者への紹介の流れ

担当されているご利用者に、慢性的な痛みやしびれ、こわばりでお困りの方はいらっしゃいませんか。訪問鍼灸マッサージは、通院が難しい方が自宅で受けられる、医療保険を使ったケアです。介護保険の限度額に影響しないため、ケアプランを組むうえでも取り入れやすい選択肢になります。ケアマネジャーの皆さまに向けて、訪問鍼灸マッサージの位置づけと、連携や情報共有の流れを整理してお伝えします。

この記事のポイント

訪問鍼灸マッサージは、医師の同意書を前提にはり・きゅうの療養費として算定されるため、介護保険の区分支給限度基準額に影響せず、ケアプランに取り入れやすい選択肢です。保険はすべて鍼灸で算定し、神経痛やリウマチ、五十肩、腰痛など、医師が必要と認めた慢性的な痛みが対象になります。利用者負担は1割で1回およそ395円、同意書取得や施術報告書の共有は施術院側が担います。

なぜ区分支給限度基準額に影響しないのか

訪問鍼灸マッサージの最大の特長は、医療保険を使うサービスである点にあります。医師の同意書を前提に、はり・きゅうの療養費として算定されるため、介護保険の区分支給限度基準額には算入されません。デイサービスや訪問介護で限度額が埋まっているご利用者でも、痛みやこわばりへのケアを別枠で上乗せできます。利用者負担は1割の方で1回およそ395円。これは値引きされた料金ではなく、公的な医療保険の仕組みにもとづく正規の費用です。週3回うかがう場合は、ひと月の自己負担がおよそ4,740円(1割の方)ほどになります。

対象になりやすいご利用者

保険の対象になるのは、医師が鍼やお灸での治療が必要と認めた慢性的な痛みです。坐骨神経痛などの神経痛、リウマチ、頸肩腕症候群、五十肩、腰痛症、頸椎捻挫後遺症など。脳梗塞後の痛みやしびれ、こわばりでお困りの方も、症状によっては対象になります。「通院でのリハビリが難しくなってきた」「痛みで外出が減っている」「限度額の関係で機能訓練を増やしにくい」といったケースで、選択肢として検討していただけます。

同意書の取得は、こちらでサポートします

保険適用には医師の同意書が必要ですが、その取得の段取りはこちらで支えていきます。ご利用者やご家族の負担、そしてケアマネジャーの手間が増えないよう、依頼書の用意や医療機関とのやりとりの流れをこちらで整えます。同意には対面診察が必要で、おおむね半年ごとの再同意が要りますが、その時期の管理もこちらで行い、必要に応じてご共有します。

施術報告書では何を共有してもらえるのか

連携の要になるのが、施術報告書です。施術のなかで把握したご利用者の状態、痛みや可動域の変化にとどまらず、日々の動作、睡眠、歩行や転倒のリスク、ご家族の様子までを、必要に応じてケアマネジャーや医師に共有します。在宅生活を支えるうえで役立つ情報が届くことで、モニタリングやケアプラン見直しの材料としてお使いいただけます。気になる変化に早めに気づいた際は、こちらからもご連絡します。

訪問リハビリや訪問看護と重ならないか

訪問鍼灸マッサージは、訪問リハビリや訪問看護、デイサービスとは役割が異なり、痛みやこわばりのケアという部分を担います。同一疾患で医療保険のリハビリと重なる場合など、制度上の調整が必要になるケースもありますので、その際は状況を伺いながら、無理のない形をご提案します。既存のサービスと足並みをそろえ、チームの一員として関わることを大切にしています。

痛みのケアが、在宅生活全体を支える

慢性的な痛みやこわばりは、それ自体のつらさだけでなく、活動量の低下、睡眠の質の低下、意欲の減退といった形で、在宅生活の全体に影を落とします。痛みで動けないことが、廃用や閉じこもりの入り口になることもよくあります。痛みやこわばりが和らぎ、少しでも動きやすくなることは、他のサービスの効果を引き出すことにもつながります。たとえば、痛みが軽くなることでデイでの機能訓練に取り組みやすくなる、といった相乗効果も考えられます。体のケアは、在宅生活を支える土台のひとつだと考えます。

同意医・主治医との関係

同意書を交付いただく医師とは、施術報告書を通じて経過を共有し、再同意の判断材料をお届けします。医師が施術の状況を把握できることで、安心して同意を継続していただけます。主治医が別にいる場合も、必要に応じて情報を共有し、医療と足並みをそろえて進めます。ケアマネジャーの皆さまには、こうした医療との連携の状況も、必要に応じてご報告します。関係者の間で情報がそろっていることが、ご利用者にとって最も安心につながると考えています。

モニタリングのときに、見ていただきたいところ

施術が合っているかどうかを判断する材料は、数値ではなく暮らしの場に出ます。着替えやおむつ交換のときの介助のしやすさ。ベッドから車いすへ移るまでの時間。夜間に痛みで目を覚ます回数。表情や声の出方。通所への参加のしかた。

痛みの強さだけで見ると日によって上下するので、かえって分かりにくくなります。介助する側の手間が変わったかどうかのほうが、ご家族にもヘルパーにも実感しやすい指標です。

施術報告書にはこうした点を書いてお出ししますので、モニタリングの記録とつき合わせてご覧いただけます。書き方や項目にご希望があれば、合わせて調整します。

続ける期間と、やめどきについて

いつまで続けるのか、はよくいただく質問です。医師の同意書には有効期間があり、続ける場合はそのつど同意をいただき直します。期限なく自動で続くものではありません。期間と更新の手続きは、「訪問鍼灸マッサージの同意書は何か月で更新?有効期間と手続き」で詳しくご紹介しています。

状態が落ち着いて、通院や通所でまかなえるようになれば、終了のご相談をします。こちらから回数を増やすよう勧めたり、やめたいというお話を引きとめたりはしません。続ける、減らす、いったん止めるの考え方は、「症状が落ち着いたらやめられる?訪問鍼灸を続ける期間の考え方」をご覧ください。

ご紹介の流れ

ご紹介は、ご利用者やご家族に情報としてお伝えいただき、ご本人が希望された場合に、こちらへご連絡いただく形が基本です。まず状態や通院の状況を伺い、対象になりそうかを確認したうえで、同意書の手続きに進みます。なお、私たちは公正な連携を大切にしており、ご紹介に対して金品などの利益を提供することはいたしません。あくまで、ご利用者にとって適切かどうかを第一に考えた、情報の共有としての連携をお願いしています。

導入までの目安

お問い合わせをいただいてから、状態の確認、同意書の取得を経て、施術開始までは、医療機関の状況にもよりますがおおむね数日から二週間ほどが目安です。急いで体制を整えたいケースにも、できる限り柔軟に対応します。まずは、こんなご利用者がいるがどうか、という段階でのご相談も歓迎します。対象になるかの見立てだけでも、その場でお伝えできます。

よくある質問

ケアマネジャーから紹介するにはどうすればいいですか?
お電話などでご相談ください。対象の目安や同意書の段取りをご案内します。

区分支給限度額に影響しますか?
しません。医療保険で行うため、介護保険の限度額とは別枠です。

利用者の負担はどのくらいですか?
1割の方で1回およそ395円が目安です。

ケアマネとの情報共有はできますか?
ご希望に応じて体の様子やケア内容を共有しながら進めます。

この記事の根拠

はり・きゅう、あん摩マッサージ指圧の療養費は、厚生労働省が定めた取扱いにもとづく制度です。制度そのものをご自身で確かめたいときは、厚生労働省の療養費について(新しいタブで開きます)をご覧ください。「被保険者のみなさまへ」の案内も、同じページからたどれます。

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