成年後見人がついているご家族の訪問鍼灸マッサージ|申し込み・同意書・支払いは、だれがするのか

だれが申し込み、だれが支払い、書類はどこへ届くのか。成年後見人がついている方の場合、ここを最初にはっきりさせておくと手続きが途中で止まりません。申し込みから支払いまでの分担と、本人の気持ちをどう確かめるかを整理します。

この記事のポイント

成年後見人がついている方でも、訪問鍼灸マッサージは受けられます。保険を使えるかどうかは本人の体の状態と医師の同意書で決まり、後見の有無は関わりません。申し込みや支払いの手続きは後見人と分担でき、明細の送り先も選べます。ただし体に触れる施術そのものは、その日の本人の気持ちが最優先です。費用は1回あたり総額3,950円、1割負担で395円が目安になります。

成年後見人がついていても、保険で受けられますか

受けられます。はり・きゅうの療養費を使えるかどうかを決めるのは、本人の体の状態と、主治医が書く同意書です。後見人がついているかどうかは、保険の可否そのものには関わりません。腰痛症、五十肩、頸肩腕症候群、神経痛、リウマチ、頸椎捻挫後遺症といった病名で医師が必要と認めたときに、医療保険で受けられます。

一方で、手続きの進め方は少し変わります。窓口となる方と、費用の支払い、書類の届け先。この3つを最初に決めておくと、途中で止まりません。まずは後見・保佐・補助のどれにあたるのかを、審判書や登記事項証明書で確かめるところから始めます。3つは権限の範囲が違うためです。

医師の同意書は、だれが用意するのですか

同意書は医師が書く書類です。本人や後見人が書くものではありません。当院が書式を用意し、主治医へお渡しする段取りをします。ふだん診てもらっている医療機関があれば、そこにお願いするのが早い進み方です。

後見人にお願いするのは、受診の日程を教えていただくことと、医療機関へ「鍼灸の同意書を持っていく」と一言伝えていただくことくらいです。同意書には有効期間があり、切れる前の更新はこちらから声をかけます。

申し込みの書類は、本人と後見人のどちらが書くのか

施術の契約や利用の申し込みは、財産の管理にあたる部分として後見人が行うことが多い、というのが実際です。ただし保佐や補助では本人が契約者で、同意や代理の範囲だけが定められている場合もあります。権限の範囲は事案ごとに違います。

そこで当院では、審判書を見せていただいたうえで、迷う点は後見人から家庭裁判所や弁護士・司法書士へ確認していただくようお願いしています。こちらで法律の線引きを決めることはしません。本人に署名できる力が残っているときは、意思を確かめたうえで本人に名前を書いていただく形を基本にします。

支払いと明細は、どこへ届きますか

費用は1回あたり総額3,950円で、1割負担の方は395円、2割負担の方は790円が目安です。うかがえる範囲は決まっていて、豊中市、吹田市、茨木市、箕面市、摂津市、池田市、尼崎市、伊丹市と、大阪市の淀川区、東淀川区、都島区、北区、旭区。この範囲であれば出張料などを別にいただくことはなく、住所によって金額が変わることもありません。介護保険の限度額とは別の枠なので、ほかのサービスを減らす必要もありません。

お支払いは月ごとにまとめていただき、その月に受けた回数分だけをいただきます。明細と領収書の届け先は、ご本人の自宅か後見人の事務所かを初回に決めます。後見人は家庭裁判所へ収支を報告する立場ですから、日付と回数と金額が並んだ形でお渡しすると、そのまま資料として使えます。医療費控除に使えるかどうかは、税務署や税理士にご確認ください。

本人が「いやだ」と言ったときは、どうするのか

契約の代理と、体に触れられることへの同意は別のものです。書類の上で手続きが整っていても、その日その場で本人が嫌がっているなら、無理に施術はしません。手を払う、体を固くする、顔をそむける。言葉が出にくい方でも、こうした形で気持ちははっきり伝わってきます。

そういう日は、時間を置く、部屋を変える、触れる場所を手や足だけにする、あるいは短く切り上げて次回に回します。料金は回数で計算するので、途中で終えたぶんを別に請求することもありません。嫌がる理由が痛みや体調の変化であることもあるため、その日の様子は後見人とご家族にお伝えします。

本人の希望を、どうやって確かめるか

判断がむずかしくなっても、好き嫌いや心地よさは残ります。そこで、一度に一つだけ、短い言葉で聞きます。肩から始めるか、足からにするか。2つのうちどちらかを選ぶ形にすると、うなずきや視線で答えが返ってくることがあります。

あわせて、昔の暮らしぶりを教えていただきます。うつ伏せが苦手だった、足を触られるのが好きだった、人に見られるのを嫌がる方だった。こうした話は記録に残し、担当が変わっても同じやり方が続くようにします。後見人やご親族、施設の職員から集まる話が、そのまま希望の手がかりになります。

身寄りのない方や、施設で暮らす方の場合

ご親族がいない方でも、後見人と主治医、それに介護の担当者がそろっていれば始められます。施設で暮らしている場合は、施設の種類によって保険での受け方が変わることがあるため、入居先へ先に確認します。

気をつけたいのは、急に体調が変わったときの段取りです。医療上の判断への同意は後見人の権限に含まれないと説明されることが多く、その場でだれがどう判断するのかは、主治医や訪問看護、施設と前もって話し合っておく必要があります。連絡の順番を紙に書いて貼っておくと、当院を含め、だれが最初に気づいても同じ動きができます。

初回までにそろえておくと早いもの

保険証と負担割合証、審判書または登記事項証明書の写し、主治医と医療機関の連絡先。この4つがあれば、初回の説明はほとんど進みます。服薬の一覧があれば、施術の強さや姿勢を決める助けになります。

加えて、ふだん本人と接している方の連絡先を教えてください。ヘルパー、訪問看護、施設の担当者。体の変化に早く気づくのはこの方たちで、当院からの報告もここへ流すほうが役に立ちます。同意書の依頼と保険の手続きは当院が段取りしますので、集めるのはこの範囲でかまいません。

施術では、どこに手を当てるのか

判断がむずかしい方は、痛みを言葉にしにくくなります。ですから施術中は、表情のこわばり、息を止める瞬間、腕を引く動きを見ながら量を決めます。動かない時間が長い方に硬さが出やすいのは、肩の前と肩甲骨のあいだ、腰の下のほう、股関節、膝の裏、足首です。ここをゆるめておくと、着替えやおむつ交換が楽になることが期待できます。あらわれ方には個人差があります。

鍼は本数を絞り、置いたまま長く待つことはしません。お灸は、熱さを言葉で伝えられない方には位置と個数を先に伝え、指で温度を確かめて早めに取ります。毎回、かかとと仙骨の皮膚を見せていただき、押しても白くならない赤みが出ていないかを確かめて、その日のうちに報告します。

こんな変化があったら、施術より受診が先です

急に手足が動かなくなった、ろれつが回らない、顔の片側がゆがむ。こうした変化は救急の対応が要ります。転んだあとに足の付け根を痛がって立てないときは、骨折を疑って受診してください。数日で混乱が強まり、熱やいつもと違う尿のにおいを伴うときは、感染症や脱水が隠れていることがあります。

頭を打ってから数週間たって、ぼんやりする時間が増えた、ふらつくようになった、頭痛が強くなった。この場合も受診をおすすめします。血液をさらさらにする薬を飲んでいる方は特にです。施術は医療機関の治療に代わるものではなく、同じ部位で医療保険のリハビリと同時に行うこともできません。

よくある質問

後見人がついていても保険で受けられますか?
受けられます。保険の可否は本人の体の状態と主治医の同意書で決まり、後見がついているかどうかは関わりません。

申し込みは後見人が行うのですか?
財産の管理にあたる部分として後見人が行うことが多いのですが、保佐や補助では本人が契約者の場合もあります。審判書を見せていただき、迷う点は家庭裁判所や専門職にご確認いただきます。

明細はどこへ届きますか?
ご本人の自宅か後見人の事務所か、初回に決めていただきます。日付と回数と金額が並んだ形でお渡しするので、家庭裁判所への報告資料としてそのまま使えます。

本人が嫌がったらどうなりますか?
その日は無理に行いません。時間を置く、触れる場所を手や足だけにする、短く切り上げて次回に回します。料金は回数で計算しますので、途中で終えた分を別に請求することもありません。

この記事の根拠

はり・きゅう、あん摩マッサージ指圧の療養費は、厚生労働省が定めた取扱いにもとづく制度です。制度そのものをご自身で確かめたいときは、厚生労働省の療養費について(新しいタブで開きます)をご覧ください。「被保険者のみなさまへ」の案内も、同じページからたどれます。

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