
持病があると、体のケアを頼んでいいのか迷われる方が多くおられます。心臓が弱っている、腎臓の治療を受けている、麻痺がある、医療的ケアを受けている。断られるのではないか、かえって悪くしてしまうのではないか、と。実際には、うかがったうえで何ができて何を控えるかを決める形になります。体の状態ごとに、訪問鍼灸マッサージが受け持てる範囲をまとめました。
この記事のポイント
持病そのものの治療は主治医が受け持つ部分で、鍼灸やマッサージがその代わりを務めることはできません。当院が受け持つのは、動きの少なさから固くなっていく筋肉と関節、そこに出てくる痛み、そして介助のしやすさです。訪問した日は必ず血圧と体温を測り、施術を進めていい状態かを確かめます。主治医から指示が出ている場合はその範囲でお受けします。医療保険(療養費)のサービスなので介護保険の限度額は使わず、自己負担は1割の方で1回およそ395円が目安です。
持病があると、体のケアはどう変わるのか
心臓や腎臓の病気がある、飲み込みが弱ってきた、麻痺がある、医療的ケアを受けている。こうした状態の方にうかがうとき、変わるのは「何をするか」よりも「どこまでするか」と「何を先に確かめるか」です。
持病そのものの治療は、主治医が受け持つ部分です。鍼灸やマッサージがその代わりを務めることはできません。当院が受け持つのは、動きの少なさから固くなっていく筋肉と関節、そこに出てくる痛み、そして介助のしやすさのほうです。持病があるからこそ動く機会が減り、そのぶん固まりやすいという事情があります。
訪問した日には、必ずその日の様子をうかがい、血圧と体温を測ります。数字と体の様子を見て、今日は施術を控えたほうがいいと判断することもあります。主治医から動かし方について指示が出ている場合は、その範囲でお受けします。
心臓・腎臓・血圧・血液のこと
むくみやだるさは、体のこわばりから来ているとも限りません。心臓や腎臓の働きが関わっていることがあり、その見極めは医療機関の役割です。急に体重が増えた、息切れがひどくなった、尿の量が減ったといったときは、施術より先に主治医にご相談ください。落ち着いている時期のこわばりやだるさには、手を入れられる部分があります。
- 立ちくらみ・起立性低血圧でふらつく
- 高血圧のある方の肩こり・不眠と体のケア
- 貧血・ふらつき・息切れ
- 慢性腎臓病
- 透析を受けている方の体のケア
- 心不全のむくみ・息切れ・だるさ
- 糖尿病で足のしびれ・冷えが気になる高齢
だるさ・眠り・めまいのこと
はっきりした痛みがないのに体が重い、夜に眠れない、立ち上がるとふらつく。こうした訴えは原因を一つに絞りにくく、飲んでいる薬が関わっていることもあります。そこは主治医に確かめていただく部分です。そのうえで、冷えやこわばりが重なっている場合には、温めてめぐりを促すことで楽になる方がおられます。
- 首のこりから起こる頭痛
- だるさ・倦怠感が抜けない高齢
- 足のだるさ・むくみ
- 手足の冷えを芯から温める
- なかなか寝つけない・夜中に目が覚める方へ。睡眠の悩みと在宅で
- 甲状腺の不調によるだるさ・むくみ・冷え
- 慢性的な頭痛・頭の重さがつらい高齢
- むずむず脚症候群で夜眠れないご高齢
- 夜よく眠れない高齢
- めまい・ふらつきで転倒が心配な高齢
- 手足のしびれ・冷えがつらい高齢のご家族へ
食べる・飲み込むこと
むせやすくなった、食事に時間がかかるようになった。飲み込む働きそのものが落ちている場合は医師や専門職の領域ですが、姿勢が関わっていることもあります。あごが上がった状態で飲み込むと気管に入りやすくなるため、いすと机の高さや背中の支え方を整えると変わることがあります。
おなか・排泄のこと
言い出しにくいところですが、暮らしの質に大きく関わります。動く機会が減ることや、水分をひかえてしまうことが重なって起きていることもあります。原因の確認は医師にお願いしつつ、おなかや腰まわりのこわばりをゆるめることで楽になる場合があります。
麻痺・進行する病気のこと
麻痺そのものを施術で元に戻すことはできません。できるのは、麻痺した側の筋肉の緊張をやわらげること、動かさない時間から固まっていく関節を保つこと、そして使いすぎている反対側の負担を軽くすることです。進行する病気の場合は、今の状態を少しでも保つことと、介助しやすい体にしておくことが目標になります。
- てんかん発作のある高齢のご家族へ
- ALSや筋ジストロフィーなど進行する病気のご家族へ
- 脊髄損傷や対麻痺のあるご家族へ
- 認知症で落ち着かない・そわそわする時期を、穏やかに過ごすため
- 脳梗塞・脳出血のあとの手足のつっぱり・こわばり
- 顔面神経麻痺の後遺症を自宅でケア
- 認知症の方の体のこわばり・痛みを穏やかに
- パーキンソン病の筋固縮・こわばり・ふるえに
- 脳梗塞・脳出血の後遺症と訪問鍼灸マッサージ
医療的ケア・見え方や聞こえ方のこと
吸引や経管栄養、人工呼吸器を使っておられる方のところにもうかがっています。守るべき手順や触ってはいけない場所があるので、そこは訪問看護の方やご家族に教えていただきながら進めます。見えにくい方、聞こえにくい方には、声のかけ方や物の置き場所から整えます。
暮らしの動作と、介護するご家族のこと
着替えに時間がかかる、杖を使い始めた、車いすの時間が長い。動作そのものの困りごとは、体のこわばりと道具の両方から来ています。そして、支えるご家族の体も先に限界が来ることがあります。体が固いまま介助すると力がいるので、そこをゆるめること自体が介助の負担を軽くします。
- 円背の方の座り方・寝かせ方
- お薬の種類が多いご家族へ
- 着替えに時間がかかる、袖が通らない
- 花粉の時期のだるさ・体の重さと在宅ケア
- 車いすで過ごす時間が長い方の体のケア
- 杖や歩行器を使い始めるとき
- 秋の寒暖差で体調をくずしやすい高齢のご家族へ
- 床ずれ予防と寝返り介助
- 終末期を住み慣れた家で穏やかに
- 関節の拘縮・寝たきりを防ぎたい
部位から探したいときは
どこが痛いかがはっきりしている場合は、訪問鍼灸マッサージで相談の多い症状|どこがつらいかで記事を探すのほうが探しやすいと思います。地域ごとのご案内は「訪問鍼灸マッサージはどこまで来てもらえる?」にあります。料金や同意書、介護保険との関係といった制度の疑問は、「よくある疑問|料金・同意書・制度から記事を探す」で詳しくご紹介しています。
ほかのサービスとの併用について
訪問鍼灸マッサージは医療保険(療養費)のサービスなので、介護保険の区分支給限度基準額は使いません。デイサービスやヘルパー、訪問看護をご利用中でも、枠を減らさずに足せます。限度額をぎりぎりまで使っておられる方のご相談も多くいただきます。
ひとつだけご注意いただきたいのは、同一の部位について医療保険のリハビリと鍼灸を同じ月に同時に算定することはできないという点です。介護保険の訪問リハビリやデイケアであれば別枠です。どちらで受けておられるか分からない場合も、ご相談のときに一緒に整理します。くわしくは「介護保険の限度額がいっぱいでも足せる仕組み」をご覧ください。
費用は保険で、1回約395円から
費用は1回の総額3,950円に対し、自己負担は1割の方で約395円。週2回なら月あたりおよそ3,160円が目安です。要介護認定は必要ありません。内訳は料金はいくら?医療保険の自己負担額と仕組み、同意書の頼み方は「かかりつけ医への頼み方と流れ」をご覧ください。
うかがうのは平日の9時から18時まで、土曜・日曜・祝日はお休みです。はじめての方には無料体験をご用意しています。持病があって受けられるかどうか迷っておられる段階でのご相談も承ります。
よくある質問
持病があると断られませんか?
状態をうかがったうえで、何ができて何を控えるかを決める形になります。持病があるから受けられないということではありません。主治医から動かし方について指示が出ている場合は、その範囲でお受けします。
主治医に相談したほうがいいですか?
同意書が必要になりますので、結果的に主治医とやり取りすることになります。書式のご用意から医療機関へのお渡しまで当院が段取りしますので、ご本人やご家族が書類を書く必要はありません。
血圧が高めなのですが大丈夫ですか?
毎回うかがったときに血圧を測り、施術を進めていい状態かを確かめます。数字によっては、その日は控えることもあります。
介護保険の限度額をいっぱいまで使っています。
訪問鍼灸マッサージは医療保険のサービスで、介護保険の区分支給限度基準額とは別枠です。ほかのサービスの枠を減らすことはありません。
訪問看護や訪問リハビリと併用できますか?
訪問看護とは併用できます。訪問リハビリは、医療保険で受けておられる場合、同一部位について鍼灸を同じ月に同時に算定することはできません。介護保険の訪問リハビリであれば別枠です。分からない場合も一緒に整理します。
寝たきりや医療的ケアがあっても来てもらえますか?
うかがえます。ベッドの上で、寝たままの姿勢で施術します。吸引や経管栄養などで守るべき手順がある場合は、訪問看護の方やご家族に教えていただきながら進めます。
要介護認定を受けていませんが使えますか?
使えます。医療保険を使うサービスなので、要介護認定がなくても、医師の同意書があれば受けられます。
対応しているのはどの地域ですか?
大阪府では豊中市・吹田市・茨木市・高槻市・箕面市・摂津市・池田市、大阪市では淀川区・東淀川区・都島区・北区・旭区、兵庫県では尼崎市・伊丹市にうかがえます。エリア内は別途の出張費がかかりません。