
顔の片側が動かしにくい、まぶたが閉じにくい、口もとがゆがむ、うまく笑えない。顔面神経麻痺のあとに、こうした後遺症が残ることがあります。顔は人と接する大切な部分だけに、不安を抱えるご本人やご家族は少なくありません。ベル麻痺やハント症候群は、早い時期の受診と治療が回復を左右します。まずは医療機関での治療が第一で、鍼灸マッサージは回復期に、こわばりや動きにくさを支える補助です。のびのび訪問施術院は、通院がむずかしい方のお住まいへ国家資格者がうかがう訪問の施術院です。受診の目安もふまえ、在宅でのケアについてお話しします。
要点から。顔面神経麻痺は、発症直後の治療が回復を左右します。ベル麻痺やハント症候群が疑われるとき、急に顔が動かない・目が閉じないときは、まず耳鼻科や神経内科をすぐに受診してください。呂律が回らない・手足に力が入らないときは救急も考えます。鍼灸マッサージの出番は、医師の治療を受けた回復期以降で、残ったこわばりや表情の動きにくさをやわらげる補助です。訪問は1回3,950円、1割負担約395円。出張費は一律かからず、医師の同意書でご自宅に伺います。効果には個人差があります。
顔面神経麻痺とは、どんな後遺症が残りますか
顔面神経麻痺は、顔の筋肉を動かす神経がうまく働かなくなり、顔の片側が動かしにくくなる状態です。まぶたが閉じにくい、口もとから水がこぼれる、顔がゆがむ、表情がつくりにくい、笑うと左右差が出る、といった症状があらわれます。多くは時間をかけて回復していきますが、動かしにくさやこわばり、ひきつれ(拘縮)などが後遺症として残ることもあります。
後遺症の程度や回復の早さには個人差があります。発症からの時期によって、必要なケアも変わっていきます。だからこそ、まずは医療機関で診断と治療を受け、そのうえで回復の時期に合わせたケアを重ねていくことが大切です。訪問での在宅ケア全般については総合ガイドもあわせてご覧ください。
顔が急に動かしにくいときは、今すぐ受診を
はじめに、いちばん大切なことをお伝えします。顔が急に動かしにくくなったときは、まずすぐに耳鼻科や神経内科を受診してください。顔面神経麻痺は、発症してから早い時期の医療的な治療が、その後の回復を大きく左右するからです。ベル麻痺やハント症候群が疑われるときも、早期の受診と治療が回復のカギになります。
とくに、顔の麻痺とともに、呂律が回らない、手足に力が入らない、強い頭痛やめまいがある、意識がぼんやりする、といったときは、脳の病気が疑われます。ためらわず救急(119番)の対応を考えてください。目がまったく閉じない、耳の痛みや水ぶくれ、聞こえにくさをともなうときも、早めに医療機関へ相談してください。鍼灸マッサージの出番は、こうした医療機関での診断と治療を受けたうえで、回復の時期に残ったこわばりを支えることです。
ベル麻痺とハント症候群の違いと、回復の流れ
顔面神経麻痺の多くは、はっきりした原因がつかみにくい『ベル麻痺』です。一方、耳の水ぶくれや強い痛み、めまいや難聴をともなうものは『ハント症候群(ラムゼイ・ハント症候群)』と呼ばれ、ウイルスが関わるとされます。ハント症候群はベル麻痺よりも後遺症が残りやすいといわれ、いずれも早い時期の受診と治療がとても大切です。
治療の内容や回復の見通しは、原因や重さによって異なります。診断や治療の方針は主治医が判断しますので、気になることは診察の場で確認してください。私たち鍼灸マッサージがお手伝いできるのは、治療がひと段落し、回復に向かう時期に、顔まわりのこわばりや動かしにくさをやわらげる補助の部分です。
回復期に、鍼やお灸・マッサージができること
医師の治療を受け、回復に向かう時期になると、顔まわりのこわばりや動かしにくさが日々の課題になってきます。鍼やお灸、やさしい手技には、こわばった顔や首の筋肉をゆるめ、血のめぐりを促す働きが期待できます。冷えて硬くなりやすい顔まわりを、あたためながらゆっくりほぐしていきます。のびのびでは、はり・きゅう・マッサージを追加料金なしで組み合わせます。
ただし、施術の可否や進め方は、主治医の方針に沿うことが何より大切です。回復期のはじめには強い刺激を避けたほうがよい時期もありますし、後遺症の一つである『ひきつれ』を強めないよう配慮も必要です。効果の感じ方には個人差があり、はっきり『治る』とお約束できるものではありません。医師と相談しながら、無理のない範囲で寄り添っていきます。
主治医の方針を土台に、顔と首の様子を診ます
ご自宅にうかがったら、顔や首、肩まわりのこわばりの様子、動かしにくさの程度、そして主治医からどんな指示を受けているかを、ていねいにうかがいます。まぶたの閉じにくさや口もとの動き、食事のときにこぼれやすくないかといった日々の困りごとも、ご本人やご家族から聞かせてください。
顔まわりだけでなく、首や肩の緊張が関わることもあります。首や肩のこりが気になる方は首肩こり・頸肩腕のケアも参考になります。医師の方針を土台に、鍼灸マッサージとしてやわらげられるところを一つずつ見ていくのが、私たちの役目です。
在宅で受けられる安心と、料金のこと
のびのび訪問施術院の施術は、医師の同意にもとづく医療保険(療養費)で受けられます。1回の総額は3,950円で、自己負担は1割の方で約395円、2割の方で790円、3割の方で1,185円です。別途の出張費や交通費は、対応エリア内であれば一律かかりません(料金に含みます)。
たとえば週2回のペースで続けた場合、ひと月の自己負担はおよそ3,160円ほど(1割の方)です。この訪問鍼灸マッサージは、介護保険の区分支給限度額とは別枠で受けられます。要介護認定は受けていなくても大丈夫ですが、医師の同意書が必要です。料金の詳しい内訳は料金のページでご確認いただけます。
目と口を守る、日々の在宅ケア
まぶたが閉じにくいときは、目が乾いたり、ほこりが入って傷ついたりしやすくなります。主治医の指導に沿って、目薬や保護など、目を守るケアを続けてください。就寝時の乾燥対策をすすめられることもあります。
口もとが動かしにくいと、食べ物や水がこぼれたり、口の中に食べかすが残りやすくなったりします。食事のときの姿勢や一口の量を工夫し、口の中を清潔に保つことも大切です。むせや飲み込みにくさが気になるときは飲み込み・むせのケアもあわせてご覧ください。顔を冷やさない、無理に強く動かさない、十分に休息をとることも助けになります。顔の体操を行う場合も、必ず主治医の指導に沿って進めてください。
あせりを、ひとりで抱えこまないで
顔の症状は、人と接する場面で気になりやすく、気持ちが沈んだり、あせったりしやすいものです。ですが、回復には時間がかかることもあり、あせりは体にも心にも負担になります。つらい気持ちは、ひとりで抱え込まず、ご家族や、主治医、看護のみなさんに話してみてください。
顔の症状があると、人目が気になって外出がおっくうになる方もいらっしゃいます。家にうかがう施術なら、住み慣れた部屋で、落ち着いた環境のまま受けられるので、人目を気にせず体をいたわることができます。体のこわばりをやわらげ、少しでも楽に過ごせる時間をつくることも、心の余裕につながればと思っています。
家族と主治医で、変化を見守る
顔面神経麻痺のあとは、日々の小さな変化に、そばにいるご家族が気づくことがよくあります。少し動かしやすくなった、逆にこわばりが強い日がある、目が乾いてつらそうだ、といったことです。こうした気づきは、主治医や看護のみなさんと分かち合うことで、その時々に合ったケアにつなげられます。
私たちも、施術のなかで感じた顔まわりの様子を、ご希望に応じてお伝えし、支える方々と歩調を合わせていきます。回復にはあせりが出やすい時期ですが、無理は禁物です。医師の治療を土台に、その方のペースで、少しでも安心して過ごせるよう寄り添っていきたいと思います。
よくある質問
顔面神経麻痺に鍼灸マッサージは受けられますか?
発症直後は医療機関での治療が優先です。回復の時期や状態を主治医に確認したうえで、残ったこわばりや動かしにくさをやわらげるお手伝いができる場合があります。効果には個人差があります。
いつから受けるとよいですか?
回復の時期は人によって異なります。まずは受診し、主治医の判断を土台に、無理のない時期から始めます。急に顔が動かなくなった直後は、施術よりも受診を優先してください。
ベル麻痺とハント症候群で対応は変わりますか?
診断や治療の方針は主治医が判断します。私たちはどちらの場合も、医療機関での治療を受けたうえでの回復期に、顔や首のこわばりのケアを補助として行います。
保険で受けられますか?
顔や首まわりの慢性的な症状について医師が必要と認め、同意書があれば、はり・きゅうの医療保険(療養費)の対象になる場合があります。まずはご相談ください。
料金はいくらですか?
1回の総額は3,950円、自己負担は1割の方で約395円です。別途の出張費はエリア内一律かからず、料金に含みます。介護保険の限度額とは別枠で受けられます。
介護保険を使っていなくても受けられますか?
要介護認定は不要です。介護保険の区分支給限度額とは別枠で、医師の同意書があればご利用いただけます。
顔に鍼を刺すのが怖いのですが。
刺激は穏やかに調整します。不安があれば、お灸ややさしい手技を中心に行うこともできます。進め方はご本人と相談しながら決めていきます。
家族が気をつけることはありますか?
目や口を守るケアを主治医の指導に沿って続け、気づいた変化を主治医や看護のみなさんに伝えてください。あせらず見守ることも大切な支えになります。


