
脳梗塞のあとのご相談でよくうかがうのが、「麻痺していないほうの肩と腰が痛い」という話です。動く側の手足で全部をこなそうとするので、そちらが先に疲れてしまう。麻痺した側のケアは意識されていても、使いすぎている側は見落とされがちなところです。豊中市で在宅のケアをお探しの方、そして介助されているご家族に向けて、訪問鍼灸マッサージが両方の側に何をできるのかを書きます。
この記事のポイント
麻痺そのものを施術で元に戻すことはできません。治療とリハビリの方針は医師と療法士が中心です。訪問鍼灸マッサージが受け持つのは、麻痺した側の筋肉の緊張をやわらげること、動かさない時間から固くなっていく関節を保つこと、そして使いすぎている反対側の負担を軽くすることです。手足の力が急に落ちた、言葉が出にくくなった、顔の片側が動かないといった変化があればすぐに救急へ。医師の同意があれば医療保険が使え、1割負担で1回約395円(総額3,950円)。介護保険の限度額とは別枠です。
豊中市で、退院してからの毎日に
入院中は決まった時間にリハビリがあります。家に帰るとそれがなくなるか、頻度が減ります。訪問リハビリを使える方もおられますが、回数には限りがあり、期間が区切られていることもあります。
その空いた時間に何が起きるか。動かさない関節は固くなります。麻痺のある側は自分では動かしにくいので、放っておくとひじや手指、足首が曲がったまま固まっていきます。これは拘縮と呼ばれる状態で、一度進むと戻すのに時間がかかります。詳しくは「関節の拘縮・寝たきりを防ぎたい方へ」をご覧ください。
週に何回か手を入れる人がいるということ自体に意味があります。固まりはじめを早く見つけられますし、動かす習慣が途切れません。ご家族だけで抱えなくてよくなるという面もあります。
麻痺のある側と、使いすぎている側
麻痺のある側は、力が入らないのに筋肉が張りつめるという状態になりやすく、そこに痛みが出ることもあります。肩が痛む、ふくらはぎが突っぱる、手指が開きにくい。ここに鍼とお灸で働きかけます。
この突っぱるような筋肉の緊張は痙縮と呼ばれます。仕組みと在宅での向き合い方は「脳梗塞・脳出血のあとの手足のつっぱり・こわばり(痙縮)と在宅ケア」で詳しくご紹介しています。
そして反対側も見ます。動くほうの手で手すりをつかみ、動くほうの脚で体重を支え、寝返りも起き上がりもそちら主導になる。一日にそれを何十回と繰り返せば、健側の肩と腰が悲鳴を上げます。ここが痛むと今度は起き上がれなくなり、動く機会がさらに減ります。
ですから施術では、麻痺した側と動く側の両方を確かめます。ご本人が訴えておられる痛みが健側にあることは、実際によくあります。それは「回復していない」のではなく、使い方が偏った結果です。
拘縮が始まるのは、思っているより早い
「まだ退院したばかりだから」と様子を見ているうちに、手指が握ったまま開きにくくなる、足首が下を向いたまま戻りにくくなる。こういう変化は数週間の単位で始まります。
毎回うかがって、前回と比べてどこまで動くかを確かめる意味はここにあります。少し固くなってきた段階で気づけば、動かす時間を増やすことで持ちこたえられることがあります。すっかり固まってからでは、同じ手間で同じ結果にはなりません。
あわせて、日常の動作につながる形を選んで練習します。手すりを持って立つ、ベッドから足を下ろす、着替えのときに腕を通す。無理に伸ばすことはしません。
医療保険のリハビリとの使い分け
ここは分かりにくいところなので、はっきり書きます。同一の部位について、医療保険のリハビリと鍼灸を同じ月に同時に算定することはできません。訪問リハビリや通院でのリハビリを医療保険で受けておられる場合、その部位の鍼灸は重ねられないということです。
一方で、介護保険で受けている訪問リハビリやデイケアとは別枠です。介護保険の支給限度額を使わないので、ほかのサービスの枠を減らすこともありません。
どちらの保険で何を受けているかは、ご本人やご家族が把握しきれていないことも多いところです。ご相談のときに一緒に整理しますので、分からないままでご連絡いただいて構いません。担当のケアマネジャーがおられれば、そちらと確かめながら進めます。制度の切り分けは「訪問マッサージと訪問鍼灸の違い」にもまとめました。
うかがったときに、何をするか
まずその日の様子をうかがい、血圧と体温を測ります。脳梗塞のあとの方は血圧の管理が大事なので、ここは毎回欠かしません。数字を見て、その日は施術を控えたほうがいいと判断することもあります。
それから体を見ていきます。麻痺のある側の関節がどこまで動くか、前回と比べてどうか。張りつめている場所はどこか。健側の肩と腰の様子。座った姿勢、立ち上がりの動き。そのうえで、はりとお灸で固くなった筋肉をゆるめ、血のめぐりを促していきます。麻痺にともなうこわばりや、それに伴う痛みについて医師が施術を必要と認めて同意した場合、はり・きゅうの施術が医療保険の対象になります。
体が固いまま介助すると力がいります。肩と股関節が動くようになると、腕を通す、体を起こす、向きを変えるという動作が軽くなります。だから施術では、介助のしやすさも意識します。どこを持つと動きやすいか、どの順番で起こすと楽かも、うかがったときにお伝えできます。
豊中市のどこへでも、費用のこと
対応するのは豊中市内の全域です。阪急宝塚線沿線の豊中・岡町・曽根・服部天神のあたりから、緑地公園や少路、千里中央や桃山台のある北部、南部の庄内や野田町のほうまでうかがいます。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に入居されている方への訪問も承っています。エリア内であれば出張費はかからず、どのお宅でも同じ料金です。市内全体のご案内は「豊中市の訪問鍼灸マッサージ」で詳しくご紹介しています。
費用は1回の総額3,950円に対し、自己負担は1割の方で約395円。週2回なら月あたりおよそ3,160円が目安です。要介護認定は必要ありません。内訳は料金はいくら?医療保険の自己負担額と仕組み、同意書の頼み方は「かかりつけ医への頼み方と流れ」をご覧ください。
うかがうのは平日の9時から18時まで、土曜・日曜・祝日はお休みです。はじめての方には無料体験をご用意しています。退院してこれからどうするか迷っておられる段階でのご相談も承ります。
よくある質問
麻痺は鍼灸で治りますか?
麻痺そのものを元に戻すことはできません。できるのは、麻痺した側の筋肉の緊張をやわらげること、関節を動かせる範囲を保って固まるのを防ぐこと、使いすぎている反対側の負担を軽くすることです。感じ方には個人差があります。
麻痺していないほうの肩が痛みます。これも見てもらえますか?
見ます。動く側で体を支え続けると、その肩と腰に負担が集まります。健側の痛みは珍しいことではなく、そこが痛むと動く機会がさらに減るので、放っておかないほうがよい部分です。
訪問リハビリを受けています。併用できますか?
どちらの保険で受けておられるかによります。医療保険のリハビリの場合、同一部位について鍼灸を同じ月に同時に算定することはできません。介護保険の訪問リハビリであれば別枠なので併用できます。分からない場合は一緒に整理しますので、そのままご連絡ください。
退院した直後から受けられますか?
受けられます。むしろ、リハビリの頻度が下がる時期に入っていただくことに意味があります。医師の同意が必要ですので、退院時の主治医か在宅でのかかりつけ医にご相談いただく形になります。段取りは当院で進めます。
血圧が高めなのですが大丈夫ですか?
毎回うかがったときに血圧を測り、施術を進めていい状態かを確かめます。数字によっては、その日は控えることもあります。主治医から指示が出ている場合は、その範囲でお受けします。
寝たきりの状態でも受けられますか?
受けられます。ベッドの上で、寝たままの姿勢で施術します。姿勢を無理に変えることはしません。動かさない時間が長い方ほど、関節を動かす手入れの意味は大きくなります。
1回いくらかかりますか?
自宅での1回の施術は総額3,950円で、1割負担の方はおよそ395円が目安です。週1回ならひと月の自己負担はおよそ1,580円です。手技や身体を動かす運動は鍼灸に加えるケアとして行い、別途の料金はいただきません。
豊中市内ならどこまで来てもらえますか?
豊中市は全域が対応エリアです。豊中・岡町・曽根・服部天神のあたりから、緑地公園・少路、千里中央・桃山台の北部、庄内や野田町のほうまで伺っています。施設に入居されている方のところにもうかがいます。